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〃蜜月〃の終わりは近い?=サンパウロ市長とサンパウロ州知事の間にすきま風

 政治経験もないのに、民主社会党(PSDB)のサンパウロ州のジェラウド・アウキミン知事の後ろ盾でサンパウロ市長選に出馬し、一次当選したジョアン・ドリア市長。同市長は「自分にとって18年のブラジル大統領選候補はアウキミン知事」と公言するなど、蜜月とも言われた両者の間に、すきま風が吹き始めたのでは? と11日付現地紙が報じた。
 きっかけは、サンパウロ市内を走っている2本の主要幹線道路、マルジナル・チエテとマルジナル・ピニェイロスを巡る問題だ。
 4月末、今年第1四半期にサンパウロ市内で起きた死者の出る交通事故発生件数は昨年比56%増だったと発表された。ドリア市長は就任直後の1月末に、二つの幹線道路の速度制限を引き上げている。
 また、8日にはアウキミン知事が、「ドリア市長は二つの幹線道路の維持を民間会社にゆだねることを検討しているようだ」と発言した。
 いずれもドリア市長にとっては快いものではなく、ドリア氏の側近たちは知事と市長の関係悪化に繋がらないよう画策したという。
 ドリア市長は、就任直後から企業家時代のアイデア、実行力を生かした積極的な民間委託政策などが支持されて、高い支持率を保っている。
 「PSDBから18年大統領選に出馬するアウキミン知事のサンパウロ市での抑え」という役回りを期待されていたドリア氏を、「いっそPSDBの候補として大統領選に」との噂は知事に近い筋をいらだたせてもいる。
 アウキミン知事とドリア市長は共に、「関係は良好、問題は何もない」と語っているが、1日からサンパウロ州リベイロン・プレット市で始まった大型農業見本市アグリショウの開会式で2人が顔を合わせなかったことも、不和の噂をかきたてている。