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リオ州ラヴァ・ジャットでも新展開=カブラル被告の元妻宅から芸術品押収=不審な金の動き問われる現妻

尋問を終えて裁判所を出るアドリアナ被告(Fernando Frazão/Agência Brasil)

尋問を終えて裁判所を出るアドリアナ被告(Fernando Frazão/Agência Brasil)

 リオデジャネイロ州でのラヴァ・ジャット作戦(LJ)で、元知事のセルジオ・カブラル被告の妻らを巡り、新たな動きがあったと9、10日付現地紙サイトなどが報じた。
 8日は、リオ州イタイパヴァとミナス・ジェライス州サンジョアン・デル・レイにある元妻スザナ・ネーヴェス氏の家2軒で家宅捜索が行われ、ルーベンス・ジェルキマンの「オ・ベイジョ」などの芸術品やサントス時代のペレのシャツなどが押収された。同氏の家や物件購入資金は、カブラル被告を頭とする犯罪集団が受け取った賄賂の一部と見られている。
 連警は、同州LJのカルカッタ作戦とエフィシエンシア作戦で、スザナ氏が同氏所有のアララス・エンプレエンジメントス・コンスルトリア・エ・セルヴィッソス社名でサンジョアン・デル・レイ市の家屋を購入し、60万レアルを払った事を突き止めた。
 同社の口座には11~13年、スルヴェイ・マル・エ・セルヴィッソス社経由で、FWエンジェニャリア社からの金が31回振り込まれており、その総額は税務署に申告した額のほぼ倍の126万6975レアルに上った。警察は、二つの作戦の捜査で、17年2月に前記2カ所の家屋に絵画などを積んだコンテナを届けた会社の領収書も発見していた。
 サンジョアン・デル・レイでは、絵画29点を含む61の物件を押収。同家にあったアンチーク家具は、専門家の鑑定を待つ間、同氏の管理下に置かれる。イタイパヴァでは絵画など19点が押収された。また、アララス社は従業員ゼロで、同氏の住居として使われていたという。
 FWは、ファヴェーラの経済活性化計画(PAC)など、同州の公共事業を数多く請け負っていた。カブラル被告は07年の知事就任以降、カルテル形成や不正入札などで便宜を図り、契約額の5%の賄賂を要求していたという。横領された公金は1億ドル以上で、国外送金もされていた。
 スザナ氏の弁護士は、アララス社の家屋は彼女の母と亡くなった父が70年代に入手しており、彼女のものではないと釈明した上で、いつでも捜査に協力する用意があると伝えたという。
 他方、現妻のアドリアナ・アンセルモ被告は10日、カルカッタ作戦関連の裁判での尋問で、刑務所拘留中に、諸経費を賄うために民間年金基金から120万レアルを引き出した事を認めた。
 同氏の銀行口座は16年12月の逮捕後に凍結されており、巨額の金を動かし得た経緯が疑問視されている。本来は動かせないはずの金を動かした理由や背景次第では、自宅拘留の権利を失い、再逮捕の可能性もある。