ブラジル中央銀行が15日、第1四半期(1Q、1~3月)の経済活動指数(IBC―Br)は前期(16年4Q、10~12月)比で1・12%成長、昨年同期比でも0・29%成長しており、史上最悪の景気後退(リセッション)から脱出できる可能性が高まったと発表したと同日付現地紙サイトが報じた。
IBC―Brは、地理統計院(IBGE)の発表の前に国内総生産(GDP)の今後を予想するための指数で、中銀が経済基本金利(Selic)を調整する時の資料となる。この指数は、工業、商業&サービス、農業の3部門の活動や税収を基に算出される。
景気後退は、各四半期のGDPが2期連続で前四半期のGDPを下回った時に始まったと見なされる。ブラジルでは、2015年1QのGDPが前期比で0・7%、2Qも同1・9%下回った時点で景気後退に入っており、年間のGDPは、初年に3・8%、2016年も3・6%縮小した。
15~16年の景気後退は丸2年間に及び、従来は史上最悪とされていた1930~31年の景気後退を上回っている。IBGEが6月1日に発表するGDPがIBC―Br同様の成長を記録すれば、景気後退のトンネル脱出となる。
ブラジルのGDPが成長に転じたとの見解は、エンリケ・メイレーレス財相も12日に再表明していた。IBC―Brで見た場合、16年3Qは前期比マイナス0・34%、4Qもマイナス0・16%だったが、17年1Qは1・12%成長している。
だが、同財相は、現在のブラジルはまだ景気後退の影響下にあり、失業率もさらに上がる見込みである事、雇用回復は7月以降と見られる事なども明らかにした。
同財相の見解を裏付けるのは、3月の指数が2月比で0・44%落ち込んだ事や、3月の小売販売が同月としては14年間で最大の3%落ち込んだ事、工業生産も前月比1・8%落ち込み、3月としては2002年のIBC―Br導入以来、最も落ち込みが大きかった事などだ。また、3月末までの直近12カ月間の指数は、季節調整した場合が昨年同期比で2・78%、調整しない場合は2・63%減となった。
ただし、1Qの工業生産は前期比で0・6%成長した。
なお、IBC―BrとGDPの動きは常に一致している訳ではなく、正式な成長率は、IBGEが発表するGDPによって計算される。
タグ:写真ニュース