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リオデジャネイロ=流れ弾の被害が2日に1回発生=ほとんどがスラム街で

 【既報関連】リオ州リオ市大都市圏では今年、流れ弾が一般市民に当たる事件が66件発生し、23人が死亡したと16日付現地紙が報じた。
 自宅のドアの前で新聞を読んでいた時、2歳の小児が軽食堂で遊んでいた時、託児所内で保育助手が…などと、被害状況は千差万別だ。
 リオ市西部のファヴェーラ(スラム)、シダーデ・デ・デウスの自宅前で流れ弾に当たったエルメス・ダ・シウヴァさんも、無為に命を落とした一人だ。
 流れ弾の被害の95%は、ファヴェーラか貧困地区で発生している。特に多くの流れ弾事件が発生しているのは、市内北部にある複合フェヴェーラのアレモンやシャパドンなどだ。
 リオの治安改善を訴える非政府団体「平和のリオ」のアントニオ・コスタ会長は、「こうした現実は、観光地のレブロンやイパネマ、コパカバーナなどとは全く異なる。住む場所を選べるのならば、誰もこんなところには住もうと思わないだろうし、自分の子供を危険に晒そうとは思わないだろう」と語った。
 流れ弾事件そのものはリオ市民にとって目新しいことではないが、最近は状況が悪化しており、市民は一層不安を感じている。
 リオ州は現在、深刻な経済危機に瀕しており、警察も昨年のボーナスを受け取っていない。治安悪化は深刻化しており、州は連邦政府に国家治安部隊(FN)の派遣を要請した。15日から配備についた300人のFNは、先行していた125人と合同で、90日間を期限として市内の治安改善に努める。
 今年第1四半期のリオ州の殺人事件発生件数は昨年比で26%増加し、捜査活動中の警察官に撃たれたりして死亡する事件は85%増えた。
 治安維持警察部隊(UPP)の力は衰えており、2011年は13件だったUPP駐屯地域での武力衝突は、16年は1555件に増えた。
 流れ弾が一般市民に当たった件数は、地元紙が報道などを通じて独自に集計したものに過ぎず、正確な数値はわからない。州保安局の統計では流れ弾事件という区分はなく、殺人、傷害に分けられてしまうという。