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ブラジル株=大統領の疑惑発覚でストップ安=8年半ぶりの取引一時停止も

 食肉大手JBS社共同経営者のジョエズレイ・バチスタ氏が、ミシェル・テメル大統領がエドゥアルド・クーニャ被告に口止め料を払うことを容認していたと、会話の録音付きで明かしたことは、ブラジル経済にも甚大な影響を与えたと、18日付現地サイトが報じた。
 サンパウロ市平均株価指数(Ibovespa)は17日、前日より1・67%低い6万7540ポイントで取引を終えていた。
 だが17日夜、ブラジルを震撼させた「テメル大統領のクーニャ口止め工作疑惑」発覚で、市場関係者が現政権に期待していた労働法や社会保障改革による財政再建の先行きに一気に暗雲が立ち込め、18日の株式市場は大荒れの展開となった。
 ブラジル株式市場は、Ivobespa数値が対前日終値比で10%以上低下したら強制的に取引を停止する、サーキットブレーカー制度をとっている。
 18日は、取引開始から20分足らずでその下限に達してしまった。10時21分には対前日終値より10・47%低い6万470ポイントとなり、取引が一時ストップした。これは2008年10月以来のことだった。
 取引は35分後に再開され、その後はマイナス7・8~10・4%でもみ合いとなった。もし、Ibovespaがさらに下落し、前日の終値より15%以上低下したら1時間の取引停止となるが、午後5時半現在、それは起きていない。
 為替相場も17日のショックに敏感に反応した。17日は1ドル=3・13レアルで終了していたが、18日は取引開始早々に、6%ドル高となる1ドル=3・31レアルをつけた。取引開始1時間後の11時には9%近いドル高となる1ドル=3・41レアルとなった。
 ブラジル中銀も急ぎ、実質のドル売りとなるスワップ取引で市場介入を行った。「市場の機能性を保持するために行動する」との声明も発し、パニック状態を沈静化するために動いたが、午後3時の段階でも、1ドル=3・357レアルと、7%を超えるドル高のままだった。
 EUのユーロや英国のポンド、アルゼンチンのペソなどの通貨も、レアルに対して4・5~6・7%高で推移した。