非政府団体の国際カリタスのリオ支部が、リオ州の零細・小企業支援サービス機関(Sabrae)と協力し、起業を目指す難民向けプロジェクトを発足させた。
5月3日に始まったプロジェクト第1弾は、アンゴラ、コロンビア、ナイジェリア、パキスタン、コンゴ、シリア、トーゴ、ベネズエラの8カ国から来た難民18人が対象で、毎週水曜日に3カ月間、Sabraeで講義を行う。
ブラジルは今、ブラジル人自身も職を見つけるのが困難な状況下にあるが、同プロジェクトは、母国では商業などに従事していた難民に起業家としてのテクニックなどを教える事で、彼らの賜物(タレント)を活かし、自立する道を備える事を目的として発足した。
ベネズエラから来て1年半というジョアキン・ロドリゲス・アウバラドさんとマリア・エリアス・エル・ヴァラクさん夫妻も、この講座を受けている。マリアさんの母は、内戦を逃れてラテンアメリカにやってきたレバノン人だから、2世代続いた難民家族だ。
二人は、自宅でレバノン料理を作り、注文に応じて販売したり、カリタスが開く国際食品市に出店したりしているが、食堂かレストランを開き、堂々とレバノン料理を売り出すのが夢だ。
コロンビアでは教師として20年以上働いた経験があるネリー・カマッショさんは、ブラジル在住5年となるが、経済的に自立するために、食品市に店を出している。
同プロジェクトは2段階に分かれており、最初の2カ月間は、起業計画やブラジルの法律、個人や夫婦などで経営する零細企業のあり方、ブラジルの市場、資金管理、販売網の特徴などを学ぶ。
最後の月は、各自が参加したい分野に特化した講義が行われる。現在の参加者が関心を持っている分野は、食やファッション関係だという。
プロジェクトでは、公的機関や民間の組織とのパートナーシップを拡大し、難民の起業家達が各分野に溶け込み、収益を上げる事ができるようにも心がけている。リオ州のカリタスは現在、難民4千人と、難民申請者7千人に対応している。(18日付アジェンシア・ブラジルより)
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