25日未明、リオ・グランデ・ド・ノルテ州州都のナタール近郊にあるパルナミリンの州立刑務所から91人の囚人が脱走したと同日付ニュースサイトが報じた。
同州では史上最大の大脱走(脱獄)劇は、約30メートルのトンネルを使って行われた。
同州の法務市民局は当初、脱走者は82人としていたが、その後、91人が脱走し、9人を再逮捕。現在も逃亡中の囚人が82人と訂正した。
州立パルナミリン刑務所の収容人数は436人だが、実際には589人が収容されていた。
同刑務所は、2015年の暴動で各房を仕切る鉄枠が引き抜かれ、囚人達は二つの棟と共用施設の中を自由に行き来できる状態だったという。法務市民局は、囚人達が自由に行動できる状態では満足の行く管理は不可能とし、脱走を手助けした人物の有無などについての調査委員会設置と、刑務所の改修工事実施の意向を表明した・
軍警によると、脱走事件が起きたのは午前4時頃で、少なくとも乗用車2台とバイク1台が脱走者らを支援した事が判明。脱走者らは追跡を困難にするための衣服の交換も行ったという。
脱走当時、監視塔はすべて機能しており、脱走に気づいた監視塔の係官が警報を発したため、それ以上の脱走を防ぐ事ができたという。
同刑務所では1月7日にも、塀の根元に穴を掘り、14人が脱走する事件が起きているが、この時は監視塔で警備に当たる軍警が手助けした疑いで解任された。
同州の刑務所では、15年3月以降、33の刑務所の内、少なくとも14で暴動などが繰り返されている。これまでの脱走事件は、今年1月にナタール近郊の州立アルカスス刑務所で囚人26人の殺害と共に起きた、56人が最大だった。