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「必ず素晴らしい作品に」=ドナ・マルガリーダ映画化続報=更に資金提供を呼びかけ

映画製作を進める三宅代表

映画製作を進める三宅代表

晩年の渡辺トミ・マルガリーダ

晩年の渡辺トミ・マルガリーダ

 【既報情報】「ドナ・マルガリーダの人生を映画化して世界中の人に知ってもらう」――。そんな計画が一歩ずつ現実に近づいている。有限会社・三信インターナショナルの三宅信史代表が4日来社し、映画化の進捗状況と意気込みを語った。

 三宅代表はドナ・マルガリーダ(渡辺トミ・マルガリーダ、1900―1996、鹿児島県)をモデルにした映画の製作を進めており、生前のドナ・マルガリーダについての情報や、時代考証に必要な当時の写真などの提供を呼びかけていた。戦争中や終戦直後、最も苦しい時代に日本移民を助けることに粉骨砕身し、老人ホーム「憩の園」や聖母婦人会を創立した人物だ。
 昨年1月に本紙で映画化の記事を掲載したこともあり、各方面から情報が集まった。特に大きな収穫が、彼女の三男ジョゼ・カルロスさんの妻レイコさんから話しを聞いたことだ。
 「カシアス・ド・スールに住んでいると聞きつけて、すぐに連絡を取った」という三宅代表。「彼女は早くして夫のジョセさんを亡くした。だが、晩年のマルガリーダに寄り添い、マルガリーダが亡くなるときも彼女が看取った」と明かした。「マルガリーダについてのまったく新しい話も聞くことができた。ぜひ映画にも取り入れたい」と話した。
 映画作成の進捗については、監督の選定が終わり、契約交渉の段階だという。三宅さんは監督について「ブラジル人で、アカデミー賞受賞作品のプロデューサーを務めたこともある」とほのめかし、「まずはカンヌやベルリンの映画祭に出展し、最終的にはアカデミー賞を狙いたい」と意気込む。監督とは、主演を日本人にするか日系人にするのか、マルガリーダの出生地である鹿児島県枕崎市で撮影を行なうかなどを調整する。
 三宅代表はドナ・マルガリーダについて「夫にも3人の子にも先立たれ、実は妻としても母としても不幸だった」と見ている。「それでも日本移民のための救済活動に身を投じ、『憩の園』の創立・発展に尽くした彼女の姿を描きたい」と強調する。「本格的な脚本はこれから」としながらも、「彼女の人生のどの時点に焦点を当てるかが悩みどころ」と話した。
 撮影には莫大な費用がかかるため、引き続き資金提供も呼びかけている。ルアネー法(企業が文化事業に連邦税の一部を充てる寄付免税制度)の申請も考えている。
 三宅代表は「今まで10本の映画作成に関わってきたが、今回は特別。ドナ・マルガリーダが生きた軌跡を伝えるため、必ず素晴らしい作品に完成させる」と自信を見せた。


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 三信インターナショナルの三宅信史代表は「今まで映画製作に10回携わったが、実際に公開までこぎつけたのは3作品だけ」と話し、「企画段階まで進んでも現実には色々な問題がでてくる」と苦労を滲ませた。ただ、『0からの風(vento do Zero)』(07年、塩屋俊監督)がサンパウロ国際映画祭の招待作品になるなど、製作に関わった作品の評価は高い。ドナ・マルガリーダの映画については「ずっと構想を温めていた」と話し、それだけに一段と気合が入る。ドナ・マルガリーダの功績を広く世に伝えるためにも、ぜひとも公開までこぎつけてほしいものだ。