26日、連邦検察庁のロドリゴ・ジャノー長官は、最高裁でラヴァ・ジャット作戦の報告官を務めるエジソン・ファキン判事に対し、テメル大統領の供述を求める請願書を提出した。求められているのは、同大統領が20日に行った、JBS社のジョエズレイ・バチスタ氏の報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)に対する返答の証言に関してのものだ。27日付現地紙が報じている。
ジャノー長官が今回の判断に踏み切ったのは、「テメル大統領が20日の会見での反論で、ジョエズレイ氏に会ったことを自ら認め、さらに、自身が関わる重大な疑惑について否定しなかったからだ」としている。
ジョエズレイ氏によると、3月7日の夜、公邸で行われたテメル大統領との会談で、元下院議長で現在逮捕中のエドゥアルド・クーニャ被告に対する口止め料の支払いを毎月継続するよう言われた。また、今回の供述内容が漏れた後に連邦警察庁検察官を解雇されたアンジェロ・グラール・ヴィレーラ容疑者から捜査に関する情報を聞き出すため、毎月5万レアルの贈賄を行っていることをにおわせた時も、大統領はなんら咎めず、容認するかの発言さえしたという。
ジャノー長官は、テメル氏とジョエズレイ氏との間で交わされた会話の録音の有効性も主張している。同長官は、ルーラ氏がパラナ州連邦地裁からの逮捕を逃れることを目的としたと疑われた16年3月の官房長官指名を、ジウマール・メンデス最高裁判事が、直前に行われたルーラ氏とジウマ大統領(当時)の盗聴内容を理由に差し止めたことを理由に、録音内容の有効性を求めた。
ただ、そのテメル氏とジョエズレイ氏の会話では、ジョエズレイ氏の主張が有利になりやすいよう、会話が編集された痕跡があることが録音鑑定家から認められている。この点に関しては、ファキン判事も、「録音の正式な鑑定が終わってからでないと」との姿勢をかねてからとっている。
またジャノー長官は、テメル大統領だけでなく、17日に行われたパトモス作戦の対象で、共に議員停職扱いとなっている、テメル氏の元右腕のロドリゴ・ロシャ・ロウレス下議とアエシオ・ネーヴェス上議の供述も求めている。
ジャノー長官の言動を受け、大統領府は「大統領は事実を認めたに過ぎず、何も隠してはいない」と反論している。
一方、テメル大統領は28日、法相をオスマール・セラーリオ氏からトルクアット・ジャルジン氏に交代させた。新法相は選挙高裁(TSE)判事も務めたことがあり、司法界との人脈がある。
この人事はカルネ・フラッカ作戦で汚職関与が疑われる発言があったセラーリオ氏を法相から外すと共に、6月8日から始まる選挙高裁での、14年大統領選でのジウマ/テメルのシャッパの当選無効を問う裁判対策のひとつと見られている。