【既報関連】3月から始まった景気刺激策、休眠口座からの勤続期間保障基金(FGTS)引き出し解禁による資金の48%が消費部門に流れたと、5月31日付現地紙が報じた。
全国商業連合(CNC)の調査によると、3月に引き出された資金は総額55億レアルだった。この資金は「衣類・靴部門」に11億9千万レアル、「建設資材部門」に5億9440万レアル、「家具・電化製品部門」に5億3020万レアル、「医薬品・香水・化粧品部門」に3億3700万レアル流れた。これら4部門の消費に回ったのは26億5千万レアルで、3月に引き出された額の48%となる。
CNCのシニアエコノミスト、ファビオ・ベンテス氏は、ブラジル人は消費を好むため、消費に回る割合はもっと大きくなる事が期待されていたという。ベンテス氏はまた、近年の不況のため、負債を抱える家庭が増えており、返済に充てざるを得ないだろうという予想があたったとも述べた。
地理統計院の月次商業調査(PMC)も、前述の4部門はFGTS解禁による恩恵を受けたとしている。ベンテス氏も、月別傾向を均一にするために、今年3月の結果を別の年の3月と比較して、4部門は平均を超える結果を出した事を確認しており、FGTSが原因と考えられるとした。
FGTS引き出し解禁で最も恩恵を受けた「衣類・靴部門」には、消費に回った資金の44・9%が流れた。「確かに2月末から3月にかけては販売が伸びた」と国内の主要衣料メーカーを束ねる繊維小売協会の幹部は語った。