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《ブラジル》レシフェでも大雨の被害=死者、自宅退避者も増える

10メートル以上水位が上がり、今も増水中のウルグアイ川(南大河州、Vilson Winkler)

10メートル以上水位が上がり、今も増水中のウルグアイ川(南大河州、Vilson Winkler)

 【既報関連】ブラジル北東部と南部では週末から強い雨に見舞われ、各地で被害が出ているが、5月31日も雨が収まる様子は見えず、自宅から退避する必要に駆られる人が増えている。
 北東部で被害が続いているのはペルナンブコ州(PE)とアラゴアス州(AL)だ。
 PEでは内陸部の被害が報道の中心だったが、5月31日はレシフェ市近郊でも未明から強い雨が降り、レシフェ市内でもわずか4時間で4日分の雨に相当する72ミリの降水を見た他、バーラ・デ・ジャンガダでは同じ時間帯に108ミリの雨を記録した。また、雨が激しい時間帯が満潮時と重なったため、レシフェ市内では各地で洪水が起き、陸上と海上の双方で交通が混乱した。ペルナンブコ連邦大学も、午前中は休講となった。
 PEでは、5月31日昼の時点で、大雨や土砂崩れで家を失った人が3081人、浸水などで退避を必要としている人が5万2095人に増えた。雨の被害が出ているのは29市だが、5月30日までに非常事態を宣言したのは24市で3人の死者も出ている。
 同州政府は24市に水や食料、衛生用品などの支援物資を送っており、5月31日付連邦官報にもその名が記載された。
 ALでは、5月30日に女性1人と子供1人の遺体が発見され、土砂崩れによる死者は7人に増えた。5月31日は強い雨で地盤が緩み、行方不明者の捜索が中断された。同市近郊の町では川泳ぎ中に姿を消した少年の捜索も続いている。
 同州では、27市が非常事態宣言中で、自宅を失ったりして退避中の人が2万4千人以上いる。
 リオ・グランデ・ド・スル州での雨の被害は60市に広がり、非常事態を宣言した市も19に増えた。5月30日夜に非常事態を宣言したのは州北部の3市で、エレシン市では24時間で1カ月分に相当する127ミリの雨が降った。トレス・アロイオス市では洪水で老夫婦の家が孤立し、消防が救出した。
 同州では、サンジェロニモ市やイタキー市などで2384人が自宅退避を余儀なくされている。