5月18日のサンパウロ市株式市場指数(Ibovespa)は8・8%下落して、ブラジル市場ではほぼ9年ぶりの下げ幅を記録したが、同月の国外投資家によるブラジル株への投資は21億5千万レアル(約750億円相当)増大したと、5日付現地紙が報じた。
これは5月の外国人投資家によるブラジル株の売却額と購入額を比較した結果、購入額が売却額を上回ったことを意味する。3月、4月は売却が購入を上回っており、3カ月ぶりの投資増額だった。
Ibovespaは〃5・17JBSショック〃翌日の18日、たった1日で5943ポイント下落した。だが、その後は持ち直し、5月全体のIbovespa下落幅は2692ポイントに留まった。
経済分析員たちは、ブラジルの政治危機による株式市場暴落とレアル安が、国外投資家たちにとってブラジル株を買う好機として作用したとしている。
元中銀総裁で、投資顧問会社テンデンシアス社の共同経営者のグスタヴォ・ロヨラ氏は、「国際投資家たちが新興国への投資を考えている時に今回の危機が発覚し、暴落が起こった事はせめてもの幸運だったと言えるかもしれない」と語っている。
グラドゥアル・インヴェスチメント社のアンドレ・ペルフェイト氏は、「NY株式市場はかなり高騰しており、投資家は米国外に投資先を探している」とし、XPインヴェストメントの主席エコノミストのゼイナ・ラチフ氏も、「国外投資家にはブラジル株は割安に映っており、これは自然な動き」と語った。
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