3日、労働者党(PT)党大会で党首選挙が行われ、元官房長官のグレイシ・ホフマン上議が新党首に選ばれた。同上議は同党の18年大統領選候補とされるルーラ氏同様、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)で被告になっている。4日付現地紙が報じている。
党首選は3人の候補によって行われたが、ルーラ氏が所属し、党内最大会派である「新しいブラジルを作る会」(CNB)の支持を得たグレイシ氏が61%の票を得て圧勝した。
2位は得票率38%のリンドベルグ・ファリアス上議で、「PTがテメル大統領派のロドリゴ・マイア氏とエウニシオ・オリヴェイラ氏を下院議長と上院議長に推した」とき、党幹部の判断に疑問を抱き、出馬を決めたという。党内左派のジョゼ・デ・オリヴェイラ氏は0票だった。
グレイシ氏はジウマ政権で官房長官をつとめた人物として知られているが、ラヴァ・ジャット作戦では、2010年の上院議員選でペトロブラスの公金を使用し、100万レアルの賄賂を受け取った容疑で告発され、夫でPT政権の企画相ならびに通信相だったパウロ・ベルナルド氏と共に、被告となっている。
グレイシ氏に対する疑惑はこれだけではなく、昨年12月のオデブレヒト社の報奨付供述でも、3人の供述者が、種々の疑惑に関与したとして、その名前を挙げている。
世間へのPTのマイナス・イメージも懸念される結果だが、グレイシ氏は当選後の演説で「私たちは宗教団体でもなく、隠さなければならないようなやましいことは何もしていない」と言い切り「私たちは犯した過ちをいつまでも指さして、ブルジョワや右翼に利用させるようなことはしない。私たちは確かに過ちを犯してきたが、ブラジル500年の歴史の中でPT政権より優れた政権はなかった」とまで言い切った。
PTでは、LJ絡みで6回起訴され、5件で被告になっているルーラ氏が18年の大統領選出馬を口にしている。同氏は最新の世論調査でも国民の30%以上の支持を受けて依然、トップに立っており、固定支持層に関しては強いダメージを受けていない状態が続いている。
また、4日には、サンパウロ市西部にあり、PTの拠点区の一つとして知られるラルゴ・ダ・バタタで、テメル大統領の辞任を求め、大統領選前倒しの直接選挙を求める「ジレッタス・ジャー」の集会と、ペチスタ(PT支持者)として知られるロックやヒップホップのアーティストのコンサートが行われ、主催者公表10万人ほどの群集が集まり話題を呼んだ。
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