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《ブラジル》テメル大統領、継続か無効か=6日からTSE審理開始=司法の独立強調のメンデス=ロウレス逮捕の影響は如何に?

「証拠再検討が必要」との結論となった、今年4月のTSEの様子(Antonio Cruz/Agência Brasil)

「証拠再検討が必要」との結論となった、今年4月のTSEの様子(Antonio Cruz/Agência Brasil)

 【既報関連】2014年大統領選挙で、選挙期間中に政治的、経済的権力の不正な行使があったとして、当時の野党、民主社会党(PSDB)がジウマ/テメルシャッパの当選無効を訴えていた裁判の審理が、6日より選挙高等裁判所(TSE)で再開される。それを直前に控え、4、5日付現地各紙・サイトが審理の行方を解説した。

 14年には盟友だったジウマ(労働者党・PT)とテメル(民主運動党・PMDB)を、選挙で敗れたPSDBが攻める構図で始まったこの裁判は、昨年、PMDBがPSDBと結んでジウマを罷免し、PMDBのテメルが後継の大統領におさまったことで攻防の構図が変化した。
 さらに、5月17日の〃JBSショック〃で、PMDBとPSDBの結束にもほころびが生じているという状況下でTSE審理を迎える。
 審理は6、7日の午後7時からと、8日は午前9時と午後7時からの合計4回行われる。ジウマ弁護側は当初より、「ヘルマン・ベンジャミン報告官が報告書に含めた、シャッパ当選無効の論理を構成する諸要素の中には、当初の告発の主旨にそぐわないため、裁判では除外すべき項目もある」と主張してきたが、今やテメル弁護側もこれに便乗しようとしている。
 この主張が採用されると、建設大手のオデブレヒト社幹部らや、元PTの選挙参謀だったジョアン・サンターナ被告と妻のモニカ・モウラ被告が行った報奨付供述の内容は、今回の審理対象ではなくなる。
 彼らは、ジウマ/テメルのシャッパが、選挙中の協力や選挙後の議会運営で連携を求めて他の政党を買収したと供述しているため、同シャッパに選挙犯罪の責任を負わせる論拠になっている。
 TSEの判事たちは先週、マスコミが「無罪」「有罪」など、審理時の判事の投票予想を行ったことに不快感をあらわにした。TSE長官のジウマール・メンデス判事は、5月29日に、「判事が仮に『証拠再検討』を求めても、それは普通のこと」「TSEは裁判とは別件の政治危機解決のために利用されるべきではない」と語った。
 また、テメル大統領の元側近のロドリゴ・ロッシャ・ロウレス下議(停職中)が4日に逮捕されたことも、テメル大統領側の弁護士は、「ロドリゴ・ジャノー連邦検察庁長官がTSEでの審理に影響を与えるためにこの逮捕に踏み切った」と批判している。
 ロウレス容疑者は予備拘留状態で、7日にブラジリア連邦区のパプーダ刑務所への移送が決定した。同容疑者は黙秘権を行使していると伝えられているが、報奨付供述に応じる可能性もある。
 日程上、6日から8日までのTSE審理では同容疑者が供述を行っても証拠にならないが、TSEが「証拠再検討」で審理を中断すれば、ロウレス容疑者の供述もTSEで検討される可能性が出てくる。