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《ブラジル》ラヴァ・ジャット作戦=アウヴェス元下院議長ら逮捕=ナタル市のW杯会場巡る不正等で

 連警が6日朝、マヌス作戦を敢行し、リオ・グランデ・ド・ノルテ州ナタル市のサッカー競技場「アレーナ・ダス・ドゥナス」建設に絡む不正疑惑で、エンリケ・エドゥアルド・アウヴェス元観光相(民主運動党・PMDB)ら5人を逮捕したと同日付現地紙サイトが報じた。
 アウヴェス氏はジウマ政権の15年4月16日~16年3月28日と、テメル暫定政権の16年5月12日~6月16日に観光相を務めた。132月~15年2月には下院議長も務めており、現在ラヴァ・ジャット作戦(LJ)で身柄拘束中のエドゥアルド・クーニャ元下院議長は後任だ。
 連警は同作戦で、逮捕5件、強制連行と事情聴取6件、家宅捜索22件の計33件の令状を執行した。クーニャ被告もクリチバで再逮捕された。
 連警によると、元議長2人は、14年のW杯の会場となったアレーナ・ドゥナスを建設したカリオカ・エンジェニャリアやオデブレヒト、OASの3社に種々の便宜を図り、見返りに賄賂を受け取っていたという。
 同アレーナは12~14年に建設され、7700万レアルが水増し請求された可能性がある。建設会社からの賄賂は14年統一選への選挙献金などの形で受け渡されたと見られている。アウヴェス氏は同年のリオ・グランデ・ド・ノルテ州知事選に出馬していた。
 下院議長経験者の2人は、同日行われた、連邦貯蓄銀行の年金基金や勤続期間保障基金(FGTS)を巡る不正を暴くためのセプシス作戦とクイ・ボノ作戦でも逮捕された。同作戦の逮捕者は元議長ら5人だった。
 連警によると、年金基金などを巡る不正は連警の捜査開始後も継続して行われ、クーニャ被告だけで2千万レアル以上を受け取ったという。検察は、11~15年には国外口座でも金が動いていた事を突き止めている。
 6日に行われた二つの作戦はいずれも、LJの捜査過程で集められた情報に基づいて行われ、主な罪状は贈収賄や資金洗浄だ。アウヴェス氏は、トランスペテロのセルジオ・マシャド元総裁の報奨付供述で名前が出、テメル政権発足から1カ月で辞表を提出していた。
 大統領府はアウヴェス氏の逮捕をテメル大統領への包囲網の一つと見、今後の動向に神経を尖らせている。