ブラジル地理統計院(IBGE)は9日、5月の広範囲消費者物価指数(IPCA・インフレ率)が0・31%だったことを発表した。
これは5月のインフレ率としては、2007年の0・28%以来の低い数値となった。
今年1月から5月までの累積インフレ率は1・42%で、昨年の4・05%に比べて大きく下がった。この値も2000年の1・41%以来の低い数値だった。
また、昨年6月から今年5月までの直近12カ月間のインフレ率は3・6%となり、先月までの直近12カ月間の累積の4・08%を下回った。今年5月までの累積インフレ率は、2007年5月までの直近12カ月間の累積インフレ率(3・18%)以来の低い値だ。なお、ブラジル中銀は、年間インフレ率を4・5±2%に収める事を目標にしている。
IBGE物価指標コーディーネーターのエウリナ・ヌネス氏は、ブラジルはインフレが収まったと実感するには至っておらず、せいぜい、酷すぎるインフレがやっと収まった程度と語る。
エウリナ氏は、現在のインフレ率低下は、豊作による食物価格下落と、失業による一般家庭の購買力低下に伴う需要低下を反映しているという。
5月のIPCAは、4月の0・14%と比べると、0・17%ポイント増で2倍以上になった。エウリナ氏はこれを、電気代の上昇による一時的なものと結論付けている。(9日付G1サイトより)