【既報関連】サンパウロ州政府とサンパウロ市は11日、サンパウロ市セントロのプリンセーザ・イザベル広場に密集していた禁止薬物常用者の一掃作戦を行ったと、12日付現地各紙が報じた。
サンパウロ市は今後、市内中央部ではいかなる場所でもテントやバラック小屋を建てるのは禁ずるとしている。
この問題に対応する、サンパウロ市の「贖罪計画」担当コーディネーターのアルトゥール・ゲーラ氏は、「現在、薬物常用者が夜を過ごすことができるように、150のコンテナ式の小屋と120の簡易宿泊所がある。薬物の影響下にある状態でそこを訪れても良い。そこで薬物摂取は出来ないが、今後、出来るようになる可能性もある」と語った。
夜間の平均気温が8・7度に下がった11日の朝5時、軍警機動隊員ら550人が一掃作戦を開始した。5月21日に行われたクラコランジア一掃作戦以来、1ブロックしか離れていないプリンセーザ・イザベル広場に滞留していた薬物常用者たちは、暖をとるために焚き火を囲んでいたが、機動隊の接近に気付くと小屋やマットレスに火をつけ、ルス駅方面に逃走し始めた。
この日の作戦では、火傷を負った常用者1人が保護され、薬物密売人2人と、報道関係者に暴行した常用者1人が逮捕された。警察はまた、2キロのクラックと1600レアルの現金、3個の携帯電話も押収した。
その後は市の職員が清掃を行ったが、プリンセーザ・イザベル広場を追い出された常用者たちは近接のリオ・ブランコ大通りで清掃が終わるのを待っており、作戦から6時間後には広場に戻り始めた。
広場を追い出された常用者で近くのコンテナ式の施設に駆け込んだ人は少なく、前夜から過ごしていた人々だけがそこに留まっていた。
午前9時には、サンパウロ州知事のジェラウド・アウキミン氏とサンパウロ市長のジョアン・ドリア氏(共に民主社会党・PSDB)が、プリンセーザ・イザベル広場に姿を見せた。
アウキミン知事は、「麻薬密売人との戦いや一掃作戦は継続的なものだ。常用者や密売人の密集を放置しておくと、違法取引が容易になる。それが薬物常用者を引き寄せ、一掃をさらに困難にする」と語った。
サンパウロ市の基本方針も、密集している常用者たちを散会させることで、保健職員を彼らに近付きやすくし、治療施設に誘導しやすくすることだ。
なお、作戦から一夜明けた12日、軍警や市警備隊などによる周辺警備は強化されたが、プリンセーザ・イザベル広場には既に前日の作戦で一掃されたはずの薬物常用者が戻り、薬物を摂取している姿も確認された。
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