ペトロブラス社(PB)が、JBSの持ち株会社のJ&Fグループ傘下の発電会社アンバールが汚職防止のための条項に違反したとして、同社の発電所への天然ガス販売契約を破棄する事を決めた。
PBは今年一杯、アンバールが所有する、マット・グロッソ州クイアバーのマリオ・コーヴァス火力発電所に天然ガスを供給する契約を結んでいた。
アンバールは、同発電所への天然ガスを、ボリビアから輸入する価格で供給するよう要請していたが、PBはその価格では供給できないとして、100万BTU(0・021トン、25立方メートルに相当)あたり6・07米ドルで契約を結んだ。ボリビアからの輸入価格は、4・29米ドル/100万BTUだ。
この契約の事は、4月18日に最高裁が承認した、JBS社主らの報奨付供述の中で、同社役員のリカルド・サウジ氏が言及している。
同氏の供述によると、同氏は今年4月に、テメル大統領の右腕だったロドリゴ・ロッシャ・ロウレス元下議と会い、ロウレス氏とテメル大統領への賄賂の額について話し合ったという。
JBSからの賄賂は、ロウレス元下議が経済防衛行政審議会(Cade)に働きかけたために通常価格より廉価でのガス供給契約を締結できた事への見返りで、毎週50万レアルを25年間払う事になっていた。
ロウレス元下議の名前は、JBS社主のジョエズレイ・バチスタ氏が3月7日にテメル大統領と会い、ガス価格の件でPBと折り合いがつかず、Cadeに問題が持ち込まれた事などを話した時に大統領の口から出た。
ジョエズレイ氏は大統領に「毎日100万レアルの損失が出ている」と話しており、ガスの価格が安くなれば、多額の利益が出る事を示唆。会話後に元下議とコンタクトを取った結果、Cadeでの価格問題が解決し、火力発電所への廉価でのガス供給契約が結ばれたという。サウジ氏はこの賄賂を、ロウレス元下議とテメル大統領への「年金」と表現している。
ロウレス元下議がサンパウロ市内のピツァリアで50万レアル入りの旅行鞄を受け取り、大急ぎでタクシーに乗って立ち去る様子は、連警によって録画されており、元下議への逮捕令状請求の理由となった。
PBは、アンバールの発電所へのガス供給契約破棄と共に、17年12月末日までの契約で被る損失への賠償金として7千万レアルを請求する事も決めている。(8日付G1サイトより)
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