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リオデジャネイロ市=1日平均7人が殺される=犯人特定は10%のみ

 リオ市では02年以降、3万8千人が暴力行為で死に、1日7人が殺された事になると12日付現地紙サイトが報じた。
 暴力行為の犠牲者は、銃撃戦や喧嘩、流れ弾などで死んだ警官や市民、犯罪者、犯罪者集団が支配する地区住民、強盗殺人の被害者などだが、殺害を命じた人物や実行犯などを特定できた事件は10%程度だ。
 全国保安審議会によると、09年に捜査を始めた事件6073件中、起訴に至ったのは150件で、1512件はお蔵入りとなった。40件は殺人未遂として扱われ、陪審裁判から犯罪法廷の対象となった。4371件は現在も捜査中だ。
 同市で起きた死者を伴う暴力行為は、初の治安維持警察部隊(UPP)設置の08年11月が240件、戦車まで出してアレモン地区を制した10年11月が158件など、減少傾向にあった。
 だが、15年11月の103件以降、再び増え始め、今年最も少ない4月も151件発生。アレモン地区などでは、犯罪組織同士の抗争や警察との抗争がUPP設置前の水準に戻っている。
 こういった現状に「20年も30年も武器やパトカーを買い、犯罪組織を力で組み伏せる政策を続けてきたが、命を守る事を優先しなければ、状況改善はありえない」と説くのは、フルミネンセ連邦大学のクラリッサ・プラテロ氏だ。
 専門家は、UPP設置地区の犯罪増加や警察の生産性向上のための目標設置を止めた時期と、暴力行為による犠牲者増加の時期が一致していると指摘。現在のように、積荷強盗撲滅に焦点を当てる中では、死者を伴う事件減少はより困難だ。
 殺人多発地区には警部と鑑識官などを一緒に派遣する体制導入や殺人課設置などで犯人検挙率は上がっているが、遺体が発見された場所や状況による困難さ、30日を過ぎると地区警察に差し戻す規則、州の財政危機に伴う薬品などの不足や給与の遅配などは、捜査の継続を困難にしている。
 同州では犯罪組織との抗争で死傷する警官も多く、警官による死者も相当数いる。州政府は遺族に捜査を約束したが、警官に殺された例に関しては保安局や軍警も口が重い状態が続いている。