ブラジル地理統計院(IBGE)の13日の発表によると、今年4月の国内小売業の売り上げは前月比で1%、昨年同月比では1・9%上昇したと14日付現地紙が報じた。
3月までの小売業の売り上げは、前月比では2カ月連続、前年同月比では24カ月連続で減少を記録していた。
今年4月の好結果は、3月に始まった勤続期間保障基金(FGTS)凍結口座からの資金引き出し解禁で消費が戻ったことと、復活祭商戦の好成績によるところが大きい。一般消費者の財布の余裕はまだ小さく、雇用の回復の遅れが消費を左右している。
4月の調査結果で目を引くのは、好結果が全ての商業部門に広がっているわけではないことだ。
IBGEが調査した商業部門8部門の内、4部門の売り上げは前年割れを記録したが、4部門は前年比上昇を記録した。上昇幅が一番大きかったのは「事務用品、情報、通信機器」で9・9%上昇した。下げ幅が一番大きかったのは「書籍、新聞、雑誌、文房具」で、4・1%の減少だった。
全体で見れば若干の上昇を記録したが、多くの経済関係者たちは消費回復に慎重な見方を崩さず、「景気は底を打ったが、回復は漸進的なものにとどまる」との意見が大勢だ。
6月12日の「恋人の日」商戦のクレジットによる消費は4年連続減少で、昨年比ではマイナス9・6%だったことも、経済関係者の悲観的な予想の裏づけになっている。