エンリケ・メイレレス財相とジオゴ・オリヴェイラ企画相は、2019年度からのインフレ目標を現行の4・5%から4・25%に引き下げるよう、イラン・ゴールドファジン中銀総裁を説得するのに成功した。
目標インフレ率は2005年以来、4・5%を保ってきた。目標インフレ率の引き下げ決定は、29日の国家通貨審議会(CMN)の会合で公表される見込みだ。
CMNは財務相、企画相、中銀総裁の3者からなる機関で、通貨政策などが話し合われる。今後2年間の目標インフレ率設定は財務省の所管だ。
目標インフレ率引き下げは数カ月前から議論されてきた。経済政策チームは、現在低い数値で安定しているインフレ率の上昇を防ぐために、目標インフレ率を下げる事が必要だとしてきた。
4月以来、中銀の経済予測週報〃フォーカス〃は、2019年のインフレ率は4・25%になるだろうとしている。この事が、経済政策チームが今が目標インフレ率を引き下げるのに適切な時期と判断している理由だ。
ゴールドファジン中銀総裁は、今年の1月から、内部ではインフレ目標引き下げの検討が行われていることを示唆しており、メイレレス財相もそれを明言していた。
昨年の年間インフレ率は6・29%だった。最後に年間インフレ率が4・25%を下回ったのは、3・14%を記録した2006年に遡る。
目標インフレ率の引き下げは2018年から行う可能性もあったが、現在は、景気刺激策であると同時に、インフレ促進要因ともなりうる利下げを積極的に行っていることもあり、インフレ目標引き下げは1年先送りされた。
昨年10月まで、年利14・25%だった経済基本金利(Selic)は、年利10・25%まで下がっており、今年末には年利8・5%まで落ちると見られている。
目標インフレ率の引き下げを、18年からではなく、19年からにさせるもう一つの理由は、現状の政治危機が経済に与える影響を経済政策チームが不安視していることだ。5月のJBSショックや6月初めの選挙高裁での審理に加え、さらなる政治的混乱が政府を襲えば、ブラジルの通貨安やドル高発生に進む要因となる。レアル安、ドル高はそのまま、インフレ促進要因ともなる。
しかし、政治危機がブラジルの景気回復を遅らせる要因となれば、インフレ抑制材料となる。
経済政策の舵取りは通常、目標インフレ率から±2%以内の幅に収まるように行われる。だが、今年からは、その許容範囲が「±1・5%以内」となった。今年のインフレ率は、公式目標である4・5%のマイナス下限1・5%いっぱいの、3・0%に落ち着くと見られている。(17日付フォーリャ紙より)
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