連邦貯蓄銀行(CAIXA)は、プロ・コチスタと呼ばれる、低金利住宅購入用ローンの新規契約を見合わせたと20日付現地各紙が報じた。
プロ・コチスタは、勤続期間保障基金(FGTS)の資金を財源とする融資計画で、サンパウロ州、リオ州、ミナス・ジェライス州では95万レアルまで、その他の州では80万レアルまでの住宅購入資金を融資するプログラムだ。政府の代表的な住宅政策、「ミーニャ・カーザ・ミーニャ・ヴィーダ」に次ぐ、安価な規模の住宅ローンで、返済金利は年利7・85~8・85%となっている。
Caixaは昨年、プロ・コチスタ向けに55億レアルの融資を行った。今年は50億レアルの予算を計上していたが、5月の時点で予算額がほぼつきかけていたため、25億4千万レアルが都市省から投入されたが、その資金も1カ月余りで再び底をついたため、今回の中断の決定に至った。
Caixaは、「FGTS管財人委員会の決定にのっとり、プロ・コチスタの新規ローン契約を中断する」と発表した。企画省はプロ・コチスタのための追加資金投入も検討するとしている。
プロ・コチスタの中断は、消費者にとっては決して良い知らせとは言えないが、融資が中断した事は、融資を望む人がそれだけ多いということでもあり、これをポジティブにとらえることもできる。実際、企画省も「住宅部門の需要回復を示す重要な兆候だ」との声明を出している。
昨年のプロ・コチスタの融資額は年間で55億レアルだったが、今年は半年足らずで75億4千万レアルに達した。しかも、住宅ローン融資の要請はもっと大きい。
Caixaはローンの中止に関しての理由説明を避け、全てはFGTS管財人委員会が決定したこととした。
現政権が3月から行っている、FGTS凍結資金の引き出し解禁によって、FGTSから住宅部門に流れる資金が影響を受けたとする見方もあるが、Caixaはプロ・コチスタ向けの融資の予算は引き出しが解禁される前に決められていたとして、同政策との関係を否定している。
住宅ローン「プロ・コチスタ」は、最低3年以上FGTSを納めた労働者しか利用できない。さらに、「労働者が継続して勤務している」か、「自分が積み立てたFGTS基金の総額が、購入する住宅の10%の額に達していなくてはいけない」という条件もある。