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世界難民の日=2016年に9552人がブラジルで難民認定を受ける

リオで母国の窮状を訴え行進するコンゴ民主共和国からの難民たち(Fernando Frazão/Agência Brasil)

リオで母国の窮状を訴え行進するコンゴ民主共和国からの難民たち(Fernando Frazão/Agência Brasil)

 世界難民の日の20日、法務省傘下で外務省や労務省、保健省などの複数の省庁関係者も参加する公的機関、国家難民審議会(Conare)が、2010年から16年までにブラジルで認定された難民に関するデータを発表した。それによると、16年にブラジルで難民認定された人は9552人いたという。
 難民認定された人の国籍は82カ国に及び、シリア(326人)、コンゴ民主共和国(189人)、パキスタン(98人)、パレスチナ(57人)、アンゴラ(26人)の順に多かった。
 9552人の内8522人は、一般的な「(ブラジルから)本国に帰還させた場合、人種、宗教、国籍、特定の社会的集団の一員であること、政治的意見を理由に迫害を受けるリスクが大きい」との理由で難民認定された。本国で怨恨による迫害、復讐のリスクがある事により難民認定を受けた人は713人おり、既に難民認定を受けた人の家族であるとの理由で認定された人も317人いた。
 2016年にブラジルに出された難民申請は、2015年と比較して64%減少した。その理由はハイチからの申請が大きく減少したからだ。
 16年に最も多く難民申請をしたのはベネズエラ人(3375人)で、以下、キューバ人(1370人)、ハイチ人(646人)、シリア人(391人)と続く。
 全体の減少傾向とは反対にベネズエラからの難民申請は、15年から16年の間に3倍以上に増えた。これは、マドゥーロ政権下での経済危機で貧困が広がっていることと、反政府運動への締め付けが厳しくなっていることの結果と考えられている。
 また、2011年のシリア内戦勃発以降、ブラジルに難民申請をしたシリア人の数は、合わせて3772人に上った。(20日付テーラ・サイトより)