アルゼンチンのクリスチーナ前大統領は20日、サッカー・スタジアムで8月の上院選への出馬を表明し、マクリ政権への徹底的な批判を行った。21日付フォーリャ紙が報じている。
元来、派手な演出を好むクリスチーナ氏は、大ブエノス・アイレス圏アヴェジァネーダにあるペロン・スタジアムで出馬宣言を行い、青いロングドレスに水色のケープ、アルゼンチン国旗のブローチといういでたちで登場した。
壇上に上がったクリスチーナ氏は、現在の政敵であるマウリシオ・マクリ大統領を徹底的に批判した。クリスチーナ氏は40%に達するインフレを批判するだけに留まらず、現政権によって様々な損失を被ったという国民の代表を次々とステージにあげた。
そこには奨学金を削られた学生や、軍政に加担した軍人の処罰の軽減化を嘆く行方不明の政治活動家の親族などがあげられたが、中でも社会保障費を半分に削減された、3人の子持ちで目も不自由な夫婦が壇上に上がったときは、約3万人が集まった会場が、マクリ大統領に対する罵声で溢れかえった。
クリスチーナ氏の出馬宣言は約1時間に及び、これまで所属していた正義党系列の政党を抜け、新党「市民連合」を結成することも宣言した。