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「日本移民の日」を祝して=外務大臣 岸田文雄

岸田外務大臣

岸田外務大臣

 ブラジルにおいて「日本移民の日」を迎えるに当たり、ブラジルで生活をされている日本人移住者、日系人の皆様に心からお祝いを申し上げます。
 この節目の日にあたり、100年以上にわたる数多の艱難辛苦を乗り越えてこられた日本人移住者とその子孫の方々の御苦労に思いを致すとともに、皆様がブラジル社会で多くの成功と高い評価を収められてきたことに対し心から敬意を表したいと思います。
 日本とブラジルは戦略的グローバル・パートナーとして緊密な協力関係を有しています。その両国の信頼の基礎であり、また、友好の架け橋として活躍されているのが日系社会の皆様です。ブラジルにおいて日頃から日本文化を普及し、日本への信頼を高めていただいている皆様の御尽力に感謝申し上げます。
 日本政府にとって、日系社会の皆様との関係強化は大変重要です。先月、私の下に設けた「中南米日系社会との連携強化に関する有識者懇談会」の報告書を受け取りました。この報告書は日系社会に関する提言としては、2000年の海外移住審議会意見以来17年ぶりのものです。
 中南米日系社会における世代交代や日系人の方々の意識の変化、2014年安倍総理の中南米訪問時の政策スピーチにおける考え方を踏まえ、日系社会との連携強化に関する具体的施策につき、学界、地方公共団体、経済界、関係機関の有識者から提言を頂きました。
 具体的対応策として提言いただいた一つは,中南米日系社会が世代を重ねて発展していくことに貢献するための施策です。これまで日系社会が獲得してきた信頼感が今後も持続していくために、日系団体が持続的に発展できるよう連携していくことが必要であるとの提言を頂きました。
 また、新しい三世、四世といった世代の日系人の方々が自らのルーツや日本に関心を持っていただくよう働きかけることも課題です。こういったことに対しオールジャパンで取り組んでいくことが求められています。
 外務省としても、この提言を踏まえ、日系社会の皆様との関係強化に着実に取り組んで参ります。
 来年はブラジル日本移民110周年の節目の年を迎えます。この機会に、日本とブラジルの友好関係が一層強化されるとともに、日本と日系社会の皆様との絆が更に強固なものとなることを期待しています。
 最後に、日本人移住者と日系人の皆様の御多幸を心から祈念いたしまして、私の祝辞といたします。