テメル大統領が初の公式訪問中の22日、ノルウェー政府が法定アマゾン保護のためのアマゾン基金への投資削減を発表したと22、23日付ブラジル国内紙や同サイトが報じた。
ノルウェーはアマゾン基金に対する最大の支援国で、08年8月以降、既に27億7千万レアル(11億ドル)を投じてきた。同国以外の支援者は、ドイツ(6069万レ)とペトロブラス(1470万レ)だ。
同国が今年の資金半減の意向を表明したのは、同国政府関係者とブラジルのジョゼ・サルネイ・フィーリョ環境相との会合中だったという。これにより、ブラジルへの投資は1億9600万レアル削られる見込みだ。
同国は、08年の基金創設時に、ブラジルでの森林伐採が拡大した場合は資金を削減する事を明言しており、今年に入ってからも、このままでは資金削減の可能性ありと警告していた。
同国政府関係者はサルネイ・フィーリョ環境相との会合中、「今後の森林伐採を削減できるか」と質問。サルネイ環境相は「出来る限りの手は尽くしたので減少すると思う」と答えたという。
テメル大統領は23日に持たれたエルナ・ソルベルグ首相との会談時、「ノルウェーからの資金は法定アマゾンでの伐採削減の鍵」で「不法伐採防止のための監視体制の整備は同国からの資金によるもの」と強調した。また、ブラジルからの報道陣の「資金削減回避は可能か」との質問には、「ソルベルグ首相と同国議会議長は見直しの意向を示した」と答えている。
首脳会談は貿易や環境問題が中心だったが、会談会場前には「先住民の人権保護」や「人権と民主主義保護」と書かれたプラカードを掲げての抗議行動も展開された。
ソルベルグ首相は会談後の記者会見でラヴァ・ジャット作戦の行方やブラジルの汚職への懸念を表明し、「全て洗い流すべき」と語った。
一方、テメル大統領は「我々は議会の協力も得て諸改革を推進中だ。ブラジルは大統領制だが半議会政治国だ。三権分立も確立している。ブラジルの民主主義は1988年の新憲法で正式に確立したが、実際にはもっと成熟している」と強調した。
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