9月17日で任期が切れるロドリゴ・ジャノー連邦検察庁(PGR)長官の後任として、誰がふさわしいかを問う、全国連邦検事協会(ANPR)主催の投票が27日に行われ、ニコラオ・ジーノ連邦高等検察官が最多となる621票を集めたと28日付現地紙が報じた。
ジーノ氏の名は、587票で2位のラケル・ドッジ氏、564票で3位のマリオ・ルイス・ボンサリア氏と共に、3人の次期長官候補者名簿に載り、後任を指名するテメル大統領に送られる。
ブラジル憲法の規定では、大統領は35歳以上の全ての検事から検察庁長官を指名できるが、2003年以降は候補者名簿1位の人物が指名されている。
ジャノー長官がテメル大統領への起訴状を提出した事に対し、テメル大統領が「作り話だ」と反論したのと同じ27日に、ジャノー長官に最も近い立場のジーノ高等検察官が、後継候補として最多の支持を得た意味は小さくない。
ジョゼ・カヴァルカンチ全国連邦検事協会(ANPR)会長は、「テメル大統領はリストの中から後任を選ぶはず」と語っている。
テメル大統領は2位で、ジャノー長官とは見解を異にするラケル・ドッジ氏か、得票3位の穏健派のボンサリア氏かのどちらかを選ぶというのが大方の予想だ。
「女性初の連邦検察庁長官を選ぶ」という名目は、得票順位を覆し、2位のラケル・ドッジ氏を指名する口実として便利だとする声もある。
大統領府の中では、後任を7月中に選定して、現職ジャノー長官への無言の圧力とするべきとの意見と、慎重さを欠く行動に出るべきではないとの声が混在している。
得票1位のジーノ高等検察官は、選挙高等裁判所(TSE)の副検察官も務めており、先日TSEで否決された、2014年選挙のジウマ/テメル・シャッパの当選無効を要請した検事として注目された。同氏は、野党のブラジル共産党(PCdoB)所属でマラニョン州知事のフラヴィオ・ジーノ氏の兄だ。
得票2位のラケル・ドッジ高等検察官は、高等裁判所(STJ)犯罪部門で活躍した。同氏は2009年、メンサロン事件の一環である、「パンドラの箱」作戦を指揮した実績がある。
3位のボンサリア高等検察官は、STJの犯罪部門や人権部門での経験が豊富で、昨年まで、刑務所機構や警察活動の外部制御を扱う部局を統括していた。
テメル大統領によるPGR長官の後任指名は期日が定められていない。また、指名された後任候補は、上院で査問を受けることになる。