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テメル=告発に怒りの釈明会見=検察とJBSの癒着を示唆=「イラソン」との皮肉も連発=ジャノー長官とは戦争状態に

27日の釈明会見でのテメル大統領(Lula Marques/AGPT)

27日の釈明会見でのテメル大統領(Lula Marques/AGPT)

 27日午後、テメル大統領は26日に連邦検察庁が提出した起訴状の内容はフィクションだと強く否定し、さらには検察庁が元検察員から賄賂をもらっているのではないかとのほのめかしまで行って、物議をかもした。28日付現地紙が報じている。

 記者会見は、テメル氏に近い上議、下議、閣僚たちも自発的に同席する形で行われた。
 テメル大統領は自身が司法界の出身であることに改めて触れつつ、「自分は告発されたが、起訴内容のような収賄は行っておらず、言及されたような額の金は見たこともない」と否定した。
 以後、テメル大統領は「デラソン(報奨付供述)」を「イラソン(違法の証拠)」と何度も揶揄し、自分への告発がどれくらい、でっちあげられた作り話に基づくものかを語り続けた。
 さらにテメル氏は、ロドリゴ・ジャノー長官の名前を伏せたまま、あたかも同長官自身にも疑惑があるかのようなほのめかしまで行った。
 大統領は、ラヴァ・ジャット作戦担当の元検察庁検察官、マルセロ・ミレール氏の名を出し、「セニョール検察庁が全幅の信頼を置く人物だ」と紹介し、同氏が「世間が尊敬する検察の仕事をやめ、検察庁との司法取引を取りまとめた会社に入った」と、JBS社の顧問弁護士の事務所に入社したことを公表した。
 大統領はさらに、「ミレール氏は転職後の数カ月で何百万レアルもの収入を得ているが、おそらくその金はミレール氏ひとりだけではなく、検察庁にも行っているはずだ」とし、検察庁がジョエズレイ氏らに破格の報酬を提供したのは、同庁が収賄を行った故であるかの物言いをした。
 大統領の検察批判はそれだけに止まらず、11日にブラジルに戻り、検察と連警で新たなデラソンを行ったジョエズレイ・バチスタ氏を、「帽子なんてかぶって下手な変装をして」と皮肉り、「彼に恩赦を施し、野放しにしているような人たち」と検察を批判した。また、連警の鑑識官らが「異常なし」と判断した、3月7日のジョエズレイ氏との会話の録音に関しても、「120カ所も編集点があるものが証拠に使われた」との持論を曲げなかった。
 大統領は、自身が「復讐にさらされている」とし、「戦争(ゲーラ)」という言葉まで使って、戦うことを宣言した。
 一方、ジャノー長官はこの反論会見後に、「証拠もなくいい加減なことを言っているのはどちらだ」と突如降りかかった検察庁への疑惑に不快感を示し、「こちらはたくさんの証拠があるから告発しているのだ」と言い返した。
 今回のテメル大統領の反論は、従来の支持派こそ「毅然としていた」と評価したが、検察庁への疑惑にまで言及した物言いには、マスコミをはじめ、批判的な声も目立つ。また、民主社会党(PSDB)の連立離脱問題も再燃している。