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《ブラジル》中平マリコさん=新曲「手渡された110年…未来へ」=肩の痛みと闘ってツアー14年目

表彰式で笑顔を見せた中平さん(左)

表彰式で笑顔を見せた中平さん(左)

 「大きな手術を控える中、日系社会の皆さんに甘えたくて帰って来ました。エネルギーをたくさん頂ければ」―。ブラジルツアー14年目を迎える中平マリコさん(59、大阪府)は、今年も7日から9月27日まで全国各地を行脚して公演を行う。
 屈託のない笑顔で印象的な中平さんだが、身体障害を抱え、肩の痛みと闘いながら活動を続けてきた。今回、ブラジルに渡る一週間前にして、人工関節にした左肩の感染症により、2度の大手術が必要と医師に宣告されたという。
 気丈な中平さんも涙を流したというが、その同日深夜に届いた一通のメールが、在外公館表彰の通知だった―。その時、「移民された皆様のご苦労は語り尽くせない。身体の続く限り日本の歌を届けて下さいね」と皇后陛下からの頂いた激励を思い出し、「どんな痛みにも負けたらあかん」と奮起したという。
 今回のツアーでは、47都道府県を歌で旅するメドレーや、自身が作詞作曲した「手渡された110年…未来へ」を披露し、翌年に控える移民110周年への機運を盛り上げる意気込みだ。さらに、昨年開始したブラジル日本文化福祉協会文化ホール完成の資金集めを目的とした公演「さあ~始めよう」も9月10日に3回目を迎える。
 20日の在外公館長表彰を受けて、「ここ10年間、いつも試されているような気がしていた。こんな名誉な賞を頂けるなんて奇跡」と語り、「自信と勇気を持って活動してゆく大きな励みになった。痛みに負けず笑顔で頑張ります」と力強く語った。

 

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 中平マリコさんは人工関節を埋めてある骨が溶け、割れた骨が筋肉に刺さり激痛を伴うこともあるという。「今年は、大好きなアブラッソ(抱擁)が出来ないのが残念。ベイジーニョだけでお願いします」と呼びかけている。また日本でも被災地をまわって歌を届けたり、イペーの普及などに務めており、帰国後の10月23日には熊本県玉名市立八嘉小学校で公演を行う予定。「巡り巡って、両国が繋がって来ているのを感じている」といい、同校を知っている人や出身者などメッセージを寄せたい人は、中平さん(donamari@mac.com)まで連絡を。