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リオデジャネイロ州=軍警と密売者の癒着暴く=史上最大級の捕り物劇展開

 リオ市大都市圏サンゴンサロ市で29日、軍警と麻薬密売組織の癒着を摘発するためのカラバル作戦が行われ、午後4時までに、軍警62人と密売者22人が逮捕されたと同日付現地紙サイトが報じた。
 市警の組織犯罪対策特別班(Gaeco)と州検察局、軍警監察局が担当し、総勢910人の捜査官や検察官を動員した作戦は早朝5時に発動。軍警96人、密売者70人への逮捕令状と家宅捜索令状が出された。
 軍警は密売者から定期的に賄賂を受け取って便宜を図っていたとされ、賄賂の額は月100万レアルに達していた。これらの軍警は、サンゴンサロ市の第7大隊に所属、または所属していた。軍警らは犯罪組織形成と収賄で、密売者らは麻薬密売と犯罪組織形成、贈賄で裁かれる事になる。
 軍警と密売者の癒着摘発としてはブラジル史上最大規模の作戦は、16年2月にニテロイ・サンゴンサロ殺人課が逮捕した、集めたばかりの現金2万8千レアルを所持していた人物による報酬付供述を契機に進展。警察は25万回を超える電話を盗聴し、軍警と密売者の会話2千回分を解析した。
 軍警達は、信頼の置ける人物を派遣したり、自分達が出向いたりして受け取った賄賂を、警察車両や施設の中、パン屋などで分配。見返りに、密売行為を見逃したり、密売者が移動する時の警備を請け負ったりした他、小銃や機関銃も含む銃器を貸し出したり、軍警が密売者を誘拐し、1万レアルの身代金を要求する電話をかけるという、極端な例もあったという。
 軍警達はグループを作り、毎週、木~日曜日にサンゴンサロ市内を回っては、1500~2500レアルの袖の下を受け取り、密売者達の仕事をやりやすくしていたという。密売者との癒着が疑われている軍警達の所属先は、特殊作戦部隊(GAT)や特別巡邏隊(PATAMO)などだ。