6月28日夜、ブラジリアの大統領公邸(アウヴォラーダ宮殿)に不審者が車で乗り付け、内部に潜り込むという事件が起きた。
6月29、30日付現地紙・サイトによると、午後7時頃、宮殿前に不審車が停車したため、警備担当者が尋問しようとしたところ、車が急発進して門を倒し、敷地内に入った。警備員らが発砲したが、車は芝生上を走り、宮殿内の車庫に侵入しガラスなども壊した。
警備員らは車を止めるために威嚇射撃を行ったが、車が止まらなかったため、車に向かって撃つ必要が生じたという。
不審車の運転手は車を捨て、宮殿内に逃げ込んだが、3階で警備担当の兵士らに取り押さえられた。運転手は15歳の少年で、父親の車を無断で持ち出し、公邸まで来たという。少年の身柄は一旦、連邦警察官に引き渡された後、青少年警察の観察下に移された。
同件は公共物破損扱いとなり、6月29日に調書が青少年裁判所に送られた。少年は事情聴取後に保護者に引き渡されたが、今後は精神鑑定も受ける事になっている。
警備担当の兵士達によると、不審車の侵入防止用のコンクリート製障害物は、10時にセットされる事になっており、不審車の侵入を未然に防ぐ事が出来なかった。
テメル大統領は大統領就任後、一時的にアウヴォラーダ宮殿に住んでいたが、現在は副大統領用公邸のジャブルー宮殿に戻り、会議などの時だけ、アウヴォラーダ宮殿に来ている。
大統領は事件当時、同宮殿にはおらず、不法侵入した少年も含め、負傷者などは出なかった。大統領は6月29日に担当の閣僚を呼び、警備のあり方を再検討した。
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