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《ブラジル》労働法改正などに反対しゼネスト=交通機関や学校も止まる

 5月30日に、現政権による労働法改正や社会保障制度改革などに反対するゼネストが行われ、全国各地で交通機関や銀行、学校などが全面的または一部で、機能を停止した。
 同日付の現地紙やサイトによると、サンパウロ市地下鉄は前夜の総会でスト参加を見合わせたため、サンパウロ大都市圏のバスや鉄道は通常通り運行したが、教員組合や銀行員の組合はストに参加。各機関の機能が全面的または一部で麻痺したり、抗議集会が開かれたりした。
 また、金属労組やホームレス労働者運動(MTST)などのマニフェストも多発し、アンシエッタやエリオ・シュミッツその他の幹線道の封鎖などが起きた他、横断幕などを持った組合員によるデモ行進やそれに伴う交通規制も発生した。
 他方、ブラジリアではバスと地下鉄がストに全面参加し、公共交通は朝からマヒ状態に陥った。また、混乱回避のため、軍警が官庁街への幹線道路を封鎖。武器となる可能性のある所持品の有無の検査も行われた。
 今回のゼネストでは、連邦直轄区を含む全ての州で何らかの抗議行動やマニフェストが起きており、多くの州で公共の交通機関が止まった上、高速道を含む幹線道路がタイヤなどを燃やして封鎖されたり、デモ隊の行進のせいで車両の運行が不可能となったりした。
 ゼネストには医療関係者も参加しており、サンパウロ州などでは、急を要する患者以外は受け付けない保健所や病院が出た市町村もあった。また、銀行員や空港職員、港湾職員、石油産業界の従業員、商業関係者など、幅広い部門の労働者が、職務停止や抗議集会開催、デモ行進実施などの形でストに参加した。
 教育界でも、サンパウロ総合大学やエスピリトサント連邦大学などで大学前の道路や門の封鎖が起きた他、教師や職員のスト参加で、80%以上の学校が休校となった州もあった。公立校の教師や職員を含む公務員がストに参加した州は、相当数あったようだ。
 ゼネスト参加は大都市に限られてはおらず、サイト上には、内陸部の町でも公共交通機関の機能停止や道路封鎖、デモ行進、抗議集会などが起きた事を伝える写真や報告も掲載されている。