国内最高学府のサンパウロ総合大学(USP)が、2021年までに同大学の全ての学部の新入生の半分を公立校生にする意向であることを明らかにした。2日付エスタード紙が報じている。
連邦大学では2012年に新入生の50%を公立校生に割り当てる特別枠制度を採用しており、サンパウロ州の名門大学でも、サンパウロ州立大学が2013年に、カンピーナス大学でも今年の5月に同様の枠採用を決めた。USPでも全学での枠採用にようやく動くことになりそうだ。
USPでは、2018年までに公立校からの新入生の割合を50%とすることを目標としていたが、2017年の時点ではまだ36・9%で、目標値の50%にはまだまだ遠いのが現状だ。
USPでは公立校生の比率を上げるために、16年から入学試験の合格判定の基準に、従来の入試(FUVEST)と、教育省が設けた統合選抜システム(SISU)を併用することを決めた。SISUは国家高等教育試験(ENEM)の点数で公立の高等教育機関の学生選抜を行うためのシステムで、USPは16年にSISUを採用し、新入生の30%までをSISUによって選抜することにした。これによって、サンパウロ州まで受験しに来られない他州の公立校生受け入れの道が開かれた。
公立校出身の新入生を50%とする期限を21年まで延長するには、審議会の許可が必要だ。現時点では、高等教育機関での学生比率が低い、黒人や先住民などのPPI(プレット、パルド、インディジェナス)の比率をどうするかは不明だ。
USPではSISU採用やPPIの割合は各学部に委ねられており、先週、サンパウロ市にある医学部でも初めて、SISUとPPI採用を決めた。今年の新入生全体でのPPIの割合は20%を切っている。
タグ:サンパウロ