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ブラジルに再び左傾化傾向=ジウマ罷免後にむしろ強まる

 ジウマ前大統領が罷免され、ラヴァ・ジャット作戦で労働者党(PT)の主だった政治家が逮捕され、ルーラ元大統領に対する告発が増えても、ブラジルではかえって左傾化が進んでいることが調査団体ダッタフォーリャの調べで分かった。
 これはダッタフォーリャが6月21~23日に行った調査の結果、明らかになったものだ。
 この調査は、16の項目について質問し、その回答の内容によって、回答者が右派的か左派的かを判断していくという形で行われた。
 それによると、前回の調査の2014年9月、ちょうどジウマ氏が2期目の当選を目指して苦戦していたときよりも、むしろ、国民の左傾化が強くなっていたという。
 質問は「武器の所有」「貧困の原因」「社会への貧困者の取り込み」「犯罪の原因」「死刑」「麻薬常用者への対処」「同性愛問題」「信仰」「労働組合」「青少年の犯罪」「政府と企業間競争」「税金と福祉教育」「政府の政策と恩典」「政府による企業保護」「労働法」「経済成長」についてで、これら16項目のうち、前回調査より左寄りの答えになったのが12あったという。
 とりわけ「貧困の原因は機会の不均等」と答えた人が58%から77%に、「同性愛者は社会全体から受け入れられるべき」が64%から74%に、「経済成長は企業よりも政府が責任を持つべきだ」が66%から76%にあがっているのが目立った。
 そして、この結果を基に国民の政治的ポジションを見た結果、もっとも多かったのは「中道左派」の31%で、中道右派の30%を上回り、14年9月時の中道右派32%、中道左派28%が逆転している。
 続いて「中道」が20%、「右派」「左派」が10%ずつで並んだが、前回は右派が13%で左派が7%だった。
 これは、左派のPT政権が倒れた後だけに、「右派が有利になるのでは」と思われたのと全く反対の結果となった。
 ジェツリオ・ヴァルガス財団の政治学者、クラウジオ・コウト氏は今回の結果について、「ジウマ政権の後をついだテメル政権の政策がこれまで(13年以上)続いたことに慣れていた国民には厳しいもので、それで右派のイメージが悪くなったのでは」と見ている。現在のテメル大統領所属の民主運動党(PMDB)自体は中道だが、連立参加の党には右派の党の存在も目立つ。
 またコウト氏は「その政策のイメージの悪さが、“汚職をやっていたのはPTだけではなかったのだ”という支持者の確信につながってしまっているのだろう」とも答えている。
 来年の大統領選にむけたアンケートでも、PTからの出馬が有力視されるルーラ元大統領が、6度も裁判の被告になりながらも、2位に2倍近い差をつけて30%の支持を得て、トップに立っている。(3日付フォーリャ紙より)