商工開発省が3日、今年上半期の貿易収支は、1989年の統計開始以来、最高の362億1900万ドルの黒字計上と発表したと3、4日付現地紙、サイトが報じた。これまでの黒字は、2016年の236億5千万ドルが最高だった。
同省によると、今年上半期の輸出総額は1077億1千万ドルで、輸出量は昨年同期比1・8%増、輸出額は17・6%増となった。1営業日あたりの輸出額は19・3%増の8億6800万ドルだった。
一方、上半期の輸入総額は714億9千万ドルで、1営業日あたりの輸入額は5億7600万ドル(昨年同期比7・3%増)だった。
ブラジル政府は同日、今年の貿易収支黒字額の見通しを、550億ドルから600億ドルに上方修正した。仮にこれが実現すれば、年間黒字額も昨年実績の470億ドルを上回り、過去最高となる。
マドリッドに主張中のマルコス・ペレイラ商工開発相は今回の結果に喜び、「輸出入の拡大はブラジル経済が回復に向かっている証拠で、雇用も増える」という内容のビデオを公開した。
6月だけを見ると、輸出額は昨年同月比23・6%増の197億8千万ドル、1営業日あたりの額は9億4200万ドルだった。同月の黒字額71億9千万ドルは、6月としては史上最高で、単月の黒字額としても、今年5月の76億6千万ドルに次ぐ、史上2位の好記録だった。
黒字記録更新の主たる要因は、車、セルロースに加え、収量が史上最高となった大豆や国際価格が上昇した石油などの輸出が伸びた事で、一次産品は27・2%、半加工品は17・5%、加工品は10・1%増えた。
ただし、コモディティ価格の上昇は5月で終わり、豊作による影響も8月以降は期待できないため、専門家は、下半期の黒字の伸びは大きくはないと見ている。
同様に、輸入の伸びが輸出より小さかったのは経済活動の回復度が小さいためで、政治の先行き不透明感や諸改革の遅れによる財政改善の遅れ、投資の伸び悩みが消費を抑制しているとも見られている。
なお、3月のカルネ・フラッカ作戦や米国による牛肉輸入禁止措置の影響はさほど大きくなくて済み、牛、豚、鶏を合わせた上半期の食肉輸出額は4・3%増の69億ドル、輸出量は6・5%増の326トンだった。
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