ブラジル連邦警察は6日、2014年に、石油公社ペトロブラス社関連汚職を専門に扱う目的でクリチーバ市に設立した部署、ラヴァ・ジャット(LJ)作戦特捜班を解散したと、7日付現地各紙が報じた。
連邦検察庁は強く反発し、決定の見直しを求めている。検察庁検事たちは、「この決定は明らかな(LJ捜査の)後退で、特に最近まで汚職に手を染めていた者への追求ができなくなる」との声明を発表した。
連邦警察は、LJ特捜班は、食肉不正疑惑捜査のカルネ・フラッカ特捜班らと共に、対汚職、公的資金不正使用捜査本部(Delecor)に編入されると説明している。
連警はまた、「捜査本部の一元化は、国庫により大きな損害を与えた事件の捜査を優先するため。一元化により、汚職や資金洗浄捜査の専門家を同本部に集中させる事ができ、さらに部署間の連係や情報共有も促進される」との声明も出した。パラナ州連警幹部のロザウヴォ・フランコ氏は、「LJチームがなくなるなんてことはない。むしろ逆に強化される」と語った。
しかし、現場の捜査員たちは、この決定は政府主導のLJ解体だと受け止めている。今年に入ってから(5月からとの報も)、LJ特捜班の警部は9人から4人に削減されている。4人の警部たちは今後、Delecorの新本部長で、LJ作戦特捜班結成時のメンバーでもあった、フェリペ・ハヤシ警部の指揮下に入る。
現地紙は5月、LJ特捜班とパラナ州連警監督局は、連邦政府によって予算を3割も削られたことを報じている。予算減少は、日々の雑費や出張費、車両のガソリン代、航空機の整備費などに影響した。
連警の決定は、クリチーバ、ブラジリア、リオなどのLJ作戦担当検事たちに強い警戒感を起こさせた。検事たちは、これはLJの捜査を妨げるためのテメル政権による当局への介入行為だとし、LJ特捜班をDelecorに吸収するという決定の再考を求めている。
カルロス・リマ地方検事は、「現在も100件以上の捜査が進行中で、新たな捜査の必要が生じる可能性も高いのに、必要がなくなったとの言い分で予算や人員を削減するのは納得がいかない。疑惑解明で公金が戻ってくる可能性もある。決定に隠された意図は何だ」とフェイスブック上に書き込んだ。
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