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サンパウロ市=軍警がゴミ回収者を殺害=過剰な自己防衛が原因

 12日夜、サンパウロ市西部ピニェイロスで軍警がゴミ回収者を銃殺する事件が起き、近隣住民や路上生活者が翌日、激しい抗議活動を行った。14日付現地紙が報じている。
 殺害されたのはリカルド・シウヴァ・ナシメントさん(名前はメディアにより違いがある。通称ネゴン、39)で、12日夜、軍警に胸を2発撃たれて亡くなった。
 ネゴンさんはこの日、路上で食べ物をねだったとされ、それを嫌ったピザ屋の店員が警察に通報し、2人の軍警がかけつけたというが、ピザ屋の関係者は「通報などしていない」という。
 銃を放った軍警の証言によると、ネゴンさんが木片を振りかざし、彼らに向かって来たために発砲したという。
 だが軍警監察官は、軍警2人は警防とからしスプレーを所持しており、それで対処できる範囲内だった、との見解を示している。
 別の軍警は、携帯電話で様子を録画していた青年に銃を向けて携帯を取り上げて、ビデオの録画を消した。軍警らは周囲から「殺人鬼」「ファシスト」などと批判され、約15分後にやっと被害者を病院に運んだ。だがその際、その後の捜査を妨害する行為もとったとされている。
 近隣住民や路上生活者らは翌13日、ネゴンさんの死は「黒人に対する軍警の差別意識が招いたものだ」として、抗議活動を行った。