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《ブラジル》テメル問題の憲政委員会=スヴェイテル氏の見解を却下=大半が大統領告発に否定的=下院全体投票は8月に延期=連邦政府の対策実る

13日の下院でテメル大統領の告発に反対する議員ら(Lula Marques/Agência PT)

13日の下院でテメル大統領の告発に反対する議員ら(Lula Marques/Agência PT)

 下院の憲政委員会(CCJ)は13日、テメル大統領に対する告発を受け付けるか否かの委員投票で、「告発を受け付ける」としたセルジオ・スヴェイテル報告官のパレセール(見解)を反対40対賛成25(棄権1・委員長)の多数決で却下した。また、告発受付の最終判断を行う下院全体の投票は8月に持越しとなった。14日付現地紙が報じている。

 連邦政府は、連立与党の主要党に対し、審議直前にCCJ委員を政府寄りの議員に交代させ、さらに12日は、大統領の民主運動党(PMDB)と進歩党(PP)、社会民主党(PSD)、共和党(PR)の党首脳が対策会議を開催。PP、PSD、PRはブラジル共和党(PRB)にも呼びかけ、反対票を投じた。PMDBで告発受け入れに賛同したのはスヴェイテル氏だけで、これら5党だけで反対票を27票獲得した。
 PP、PSD、PR、PRBはエドゥアルド・クーニャ前下院議長(PMDB)が作った会派「セントロン」の政党だが、同じくセントロン系のブラジル労働党(PTSB)、社会秩序共和党(PROS)、キリスト教社会党(PSC)の委員も裏切らず、そこでさらに4票。ここまでで、パレセール不成立に必要な34票中の31票を占めた、
 ロドリゴ・マイア議長の民主党(DEM)委員も4人中3人が反対。前連立与党のブラジル社会党(PSB)も、4人中2人が反対した。
 ただ、連立支持の継続か否かで揺れている民主社会党(PSDB)は7人中5人が賛成に票を投じるなど、今後の政局運営上にしこりを残しかねない結果となった。
 スヴェイテル氏に代わる報告官を務めたのはPSDBのパウロ・アビ・アケル氏。同氏が発表した、JBS社社主のジョエズレイ・バチスタ氏による報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)がテメル大統領の告発の根拠になっていることなどを疑問視したパレセールは、同日中に、賛成41対反対24(棄権1)の支持を得て承認された。
 だが、下院全体での投票は、18日からの休会が明ける8月1日以降に延期となった。連邦政府は、検察庁が次の告発を行う前に全体投票で決着をつけることを望んでいた。しかし、マイア議長が全下議の3分の2(342票)以上が出席しなければ審議は行わないと主張する中、休会直前で議会を不在にする下議も少なくないと踏み、休会明けの審議に同意した。マイア議長が与野党と協議して決めた審議予定日は8月2日で、同日は早朝から審議、即日投票の見込みとなっている。
 PMDBとセントロンの政党の議員の数を足せば、下院本会議での告発反対に最低限必要な172票はゆうに超すため、テメル大統領とセントロンとの結束が緩まなければ、とりあえず今回の告発に関しては告発を免れることになりそうだ。