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サンパウロ=地下鉄4号線でサックスの音=印象的なフレーズの正体は?

 サンパウロの地下鉄で最もモダンなことで知られる4号線で、最近、車内にサックスの音を流すサービスがはじまった。
 4号線は、市内中央部の交通要所ルス駅から、最大の繁華街のパウリスタや、西部の若者に人気のおしゃれスポットのピニェイロス、学生街のブタンタンなどをはじめとした(現時点で)6駅で構成される線だ。
 この線は2011年にピニェイロス駅ができて以来本格化した若い線ということもあり、駅や車両がほかの線よりひときわ洗練されている。
 そうしたことが可能なのは、この線だけが民営(他は州の運営)だからだで、その利点を生かして最近行われはじめたのが、駅停車前に流れるサックスのサービスだ。
 その音が鳴るタイミングは電車が次の駅に近づいたときで、その音を合図に次の駅を知らせる車内アナウンスが入るシステムとなっている。
 このサックスの音に関しては事前に何も宣伝されておらず、利用者が気づいたら流れるようになっていたという。
 電車の中で流れているサックスのフレーズは、70年代に人気を博したブラジルのシンガーソングライター、ベルシオールの曲のイントロに使われたものだという。
 ベルシオールは世界的な知名度こそ高くないものの、カエターノ・ヴェローゾやミルトン・ナシメント、シコ・ブアルキといった、70年代のMPB(ブラジル大衆音楽)全盛期に活躍したひとりで、2017年4月に70歳で他界した際には大きなニュースにもなった人物だ。
 使われている曲は、彼が1977年に発表したアルバム「コラソン・セルヴァージェン(野生の心)」に収録されている「パラレラス」という曲のイントロ部分だという。
 ベルシオールはもうこの世にはいないが、このような形で、その業績がブラジルの街の風景の一部として語り継がれて行く。(14日付フォーリャ紙サイトより)