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《ブラジル》セアラ州の男性が隣国の幼女救う=ボンベイ型の希少な血液輸血で

 ブラジル北東部のセアラ州に住む23歳の男性が、コロンビアのメデリン市に住む1歳2カ月の幼女の命を救った。
 問題の幼女は4日に嘔吐や呼吸困難で病院に連れてこられた。幼女は発育も悪く、重度の貧血も起こしていた。医師達は歯茎からの出血が止まらず、緊急輸血が必要と判断したが、彼女の血液型は、ボンベイ型またはhh、Ohと呼ばれる希少な型で、献血できる人が見つからない。唯一、献血者が見つかったのが、ブラジルの血液センターだったという。
 この型はO型の亜種とされるが、赤血球と唾液にはA・B・H抗原を欠くのに、血清中には抗A・抗B・抗Hの全ての抗体を持っているため、原則として同型の血液しか輸血できない。
 ボンベイ型はブラジルで11家族しか登録されていない、世界的にも希少な血液型だ。インドでは、1万人に1人がボンベイ型といわれるが、欧州では100万人に1人しかいないという。
 セアラ州内で献血した人の血液に関する情報にアクセスし、幼女と同じ血液型の青年がいる事を知った同州血液センターのコーディネーター、ナジェラ・リマ氏は、8日に青年と連絡を取り、事情を説明した。
 青年は翌日、フォルタレーザ市の血液センターに来て、370ccの血液を献血していった。
 この血液は10日に血液センターの看護婦の手によって、サンパウロ、パナマ、ボゴタ、メデリンというルートで幼女のもとに届けられた。幼女への輸血は12日に行われた。
 汎米保健機構(OPAS)によると、今回の輸血で、セアラ州は希少な血液型の国際輸血が行われた、ブラジルで最初の州となったという。(13日付G1サイト、14日付エスタード紙より)