パラナ民族交流協会(AINTEPAR)主催の『第56回パラナ民族芸能祭』が、同州都クリチバ市で2~13日にグアイーラ劇場で開催され、12カ国の移民コミュニティから17団体が参加した。12日午後8時半からはクリチバ日伯文化援護協会(原清会長)が日本の芸能を披露した。日本文化ファンや出演者の家族などで会場は2階席まで埋まり、日舞や太鼓、よさこいなど次々に発表される芸能を楽しんだ。
同文協おどり会によるあでやかな「琴の舞」で幕を開けた。振袖姿の青年4人とベテラン3人が扇子を右手に優美な舞を披露し観客を魅了した。
続く若葉太鼓の「武士の一文」では、日本刀を模した鉢を長胴太鼓に叩きつける斬新な表現で会場を圧倒した。
会場から歓声と大きな拍手で迎えられた琉球国祭り太鼓クリチバ支部は橙・青色の沖縄の夕空と海のような照明を背景に、BEGINの「海の声」に乗せて太鼓の音を響かせた。
民謡保存会の「花笠音頭」では会員の三味線と尺八演奏、歌と一緒に子ども達も踊りで参加。元気良く踊り会場の雰囲気も華やいだ。さらに生長の家によるコーラスのほか、若葉YOSAKOIソーランが美しい舞を披露した。フィナーレは出演者全員が舞台で「祭り」となった。舞台上には木村元在クリチバ総領事夫妻、おどり会の指導者花柳龍千多さん、原会長なども並び、大きな拍手で幕閉めとなった。
来場者のマリオ・ジョゼ・ゴルサルボス・サントス夫妻は10年前から同芸能祭の日本芸能を見に訪れている。「日本文化がとても好き。興味深い演技がたくさん見られた」と満足げに語った。
「花笠音頭」の発表に参加したサクラダ・アケミさん(三世、12)は、「民謡団体に参加することで日本文化に触れられる。練習は大変だったけど、とても楽しかった」と話し、来年も同祭参加を約束した。
約30年間もおどり会に所属する大嶋圭子さん(熊本県、83)は、「おどり会も先生も大好きなの! 日舞は今の私の生きがい」と語り、「今年も楽しく発表できました」と笑顔を浮かべた。