ベネズエラで16日、ニコラス・マドゥーロ大統領が公示した憲法改正のための制憲議会設置の賛否を問う国民投票が行われ、700万人余が投票に参加。98・4%が制憲議会設置に反対の票を投じたと17日付ブラジル国内紙、同サイトが報じた。
7月30日の制憲政議会議員選挙を2週間後に控えた国民投票は2週間前に議会が提案。体制派の選挙委員会が認可していない非公式なものだが、80超の国も含む約2千カ所の投票所には、718万6170人(国内649万2381人、国外69万3789人)が列をなした。
同国では、15年の議員選挙で770万人が野党候補に投票し、17年間議会を支配してきた体制派が敗れ、与野党の勢力が逆転した。だが、議会が承認した法案は皆、最高裁が差し止め、大統領選挙の前倒しを求める声も、選挙委員会が一方的に署名無効を宣言し、国民に圧力をかけるなどして、もみ消された。
同国では今年、体制派の圧力が増し、最高裁が議員の法的特権剥奪などの目に余る行動にも出たため、4月1日以降、連日のように抗議行動が発生。既に100人超の死者が出ている。
今回の国民投票は教会や国連、米国、米州機構、複数のラ米・欧州諸国政府からの支援を得ており、制憲議会を拒否するか、軍が現行の憲法を擁護する事を望むか、マドゥーロ氏の任期終了前の大統領選実施を望むかが問われた。
今回の国民投票はメキシコやコロンビア、ボリビア、コスタリカの元大統領ら立ち会いの下で行われた。
それでも、当日は体制派がカラカス大都市圏の投票所前で投票者の列を襲撃する事件が起き、同国検察が61歳の女性が死亡したと発表した。17日付サイトは死者は2人と報じている。