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裸の芸術家がブラジリアで逮捕=「芸術か、猥褻か?」を地で行くパフォーマンスで

 ブラジリアで15日、前衛芸術家のマイコン・ケンピンスキーさんが、パフォーマンス中に警察に押し入られ、公然わいせつ罪で現行犯逮捕された。
 ケンピンスキーさんはこの日、ブラジリアの国立共和国博物館の隣にあるSescのプログラムの一環として、自身の肉体を使ったパフォーマンスを行っていたが、外部から連絡を受けた警察が押し入り、演出のための許可証その他の書類の不備や、最低限のモラルを問う条例にも反しているとして、逮捕された。
 ケンピンスキーさんがこの日行ったパフォーマンスは「DNA de DAN」と名付けられ、自身の全身の体毛を剃って、男性器も見せた全裸状態でのものだ。
 パフォーマンスの手順は、ケンンスキーさんが透明なビニール・ドームの中で全身を透明な液体で塗って立ち尽くし、その液体が乾いてパリパリと破れる頃を見計らって、感情の赴くままにダンスをはじめる。そして、ドーム内で体操座りをしている観客と向かい合い、彼らに近づきながら、全身を使ってボディ・ランゲージに終始する、というものだ。
 このパフォーマンスはブラジルの前衛芸術の分野ではそれなりに知られており、ユーチューブでは自由に動画を見ることもできる。
 Sescのディレクターたちは逮捕当日、警官と話し合おうとしたが、警官はプラスチック製のドームを壊すと、その中に入ってきて、同氏を捕らえようとしたという。
 同氏は翌日釈放されたが、同氏には固定したファンもおり、逮捕時には「軍事政権の時のような表現への検閲行為だ」と批判するコラムニストもいた。(17日付エスタード紙より)