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世界貿易機関=「ブラジルの通商政策は閉鎖的」と評価=「回復のペースは鈍い」とも

 ブラジル経済は世界貿易機関(WTO)から「未だに保護主義で閉鎖的」と評価されていると、18日付フォーリャ紙が報じた。WTOは、「ブラジルは過去4年にわたり、保護的な通商政策を改めなかった」と厳しい評価を下している。
 ブラジル産業の内、核エネルギー、金融、医療、航空、不動産、マスコミ、鉱業、石油採掘部門は特に、国外からの投資、参入の門を閉ざしているとされた。WTOは、複雑な税制、インフラ設備や技術革新への投資の遅れも、ブラジルの課題に挙げている。
 WTOは、ブラジル経済の先行きを、政治の混乱で経済発展のために必要な改革が遅れており、回復のペースは鈍い状態がしばらく続くと見ている。
 ブラジルの強みである農業部門では依然、EU、米国に次ぐ世界第3位の輸出国だが、世界全体の農作物輸出に占める割合は、4年前の7・3%が5・1%に落ちている。
 17日にWTOの面接(口頭試問)を受け、40人近い職員からブラジルの通商政策について700以上の質問を受けた代表団は、WTOの指摘が部分的にあっていることを認める発言をした。
 しかしながら、同代表団は、南米共同市場(メルコスール)を通じて、各国、各地域と自由貿易協定を結ぶ作業に積極的に取り組み、EUやメキシコ、インドとの貿易協定を締結するために努力しているとし、カナダ、チュニジア、豪州、ニュージーランドとも、貿易協定締結に向けて協議中だと主張した。