インターネットで青少年を洗脳し、最終的に自殺に駆り立てる犯罪、通称〃シロナガスクジラゲーム〃の首謀者の一人として、マテウス・モウラ・ダ・シウヴァ容疑者(23)が、18日にリオ州ノヴァ・イグアス市で逮捕されたと19日付現地各紙が報じた。
同容疑者は架空のフェイスブックアカウントを作成し、30人をゲームに誘い込んだと自供しているが、警察は、40人を誘いこんだ証拠を掴んでいる。
〃シロナガスクジラゲーム〃は、ロシアで始まった犯罪で、青少年をたくみに誘導し、50の任務を達成させるものだ。
任務の多くは自傷行為と関連しており、最終的に自殺させてしまう。この犯罪への参加者はやめたいと思っても、「やめたら酷い罰だ」と脅迫されたりする。ブラジルでも、ミナス州、マット・グロッソ州、パライバ州で、逃れられなくなって自殺したと推測される遺書が見つかっている。
現時点では、リオ州での自殺者は出ていない。同州の捜査担当者は3月から捜査を開始したが、被害者の証言や遺書などの物的証拠は使わずに捜査を進め、首謀者逮捕に至った。捜査担当者らは、捜査の目的は首謀者の逮捕ではなく、自殺を食い止める事だったと説明している。
同州の警察はネット情報を監視し、15人の青少年が任務を受け入れたことを発見。その青少年や両親に連絡を取った。15人の青少年たちは全員がうつ状態に陥っており、精神科でケアを受けるよう指導された。
捜査担当のダニエラ・テーラ警部は、「親は子供をネット漬けにしないで、そこで何が行われているか注意する必要がある」と語っている。
同日はサンパウロ州のイビウーナでも、25歳の男性が身柄を拘束され、事情聴取も受けたが、その後に釈放された。押収されたコンピューターなどは、解析のためにリオ州警察に送られている。