リベルダーデ文化福祉協会(ACAL、池崎博文会長)は15、16日の両日、サンパウロ市リベルダーデ広場を中心に伝統の『第39回七夕祭り』を開催した。2日間とも天気に恵まれ、ポカポカした日差しの下で風に揺れる七夕飾りが、15万人(主催者発表)の来場者を楽しませた。
15日午後2時、約40の食や雑貨のバザリスタが並ぶ大阪橋の鳥居下で開会式が行われ、南米神宮の逢坂和男宮司による神道式の儀式後、池崎会長らで紅白と緑・黄色のテープカットが行われた。
広場の特設ステージでは2日間で48の演目が披露された。中でも米国在住の近藤マリナさんが身振り手振りを交え迫力ある歌声で「天城越え」などを披露し、来場者を魅了した。さらに15日午後6時頃から非日系バンド「ガイジン・センタイ」が登場。日本のアニメ曲や有名なハードロックをカバー演奏し、会場を盛り上げた。
ジュンジアイ市から毎年参加するヨシダ・テルコさん(二世、65)は、サンパウロ市在住の友人キムラ・マルシアさん(三世、56)と来場。「七夕飾りの数が少し減った感じ。昔は上が見えないぐらいあったのよ」とすこし残念がった。でも2人は青い短冊にそれぞれ「娘が無事に出産し元気な子どもを授かりますように」「従妹のガンが治りますように」と書き、おり姫星とひこ星に願掛けをした。
初参加のブラガンサ・パウリスタ市在住のパトリシア・ペレイアさんは夫と、たくさんの短冊が付けられた竹の前で記念撮影し、「宇宙から賜る全てのことに感謝します、と書いたの」とウィンク。「とっても綺麗ですばらしい祭り。すぐ気に入ったわ!」と笑顔をうかべた。
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七夕祭りで、「リベルダーデ区に約55年住み続ける路上生活者」と自称する「ミヤギさん」(71)に出会った。ミヤギさんは柄物のセーターに柄物のパンツ、という派手な格好が特徴だ。その格好のおかげで「今までに1950人が私の写真を撮った」と誇らしげいう。ミヤギさんは大阪橋のベンチに腰掛け、七夕飾りを「綺麗だねえ」とまぶしそうに見上げていた。意外と風流な一面を持つのかもしれない。その後、広場の特設舞台前で微笑を浮かべながら日本の音楽を楽しんでいた。七夕祭りは通りや広場を飾り付けるため、まさに誰でも楽しめる。日系路上生活者も笑顔にする祭りとなった。