移住55周年を迎えたグァタパラ移住地。先没者慰霊式典は例年、同地教会のブラジル人神父が執り行う。茂木同文協会長は「居住者の7割がカトリック信者。慰霊式典をカトリック式でやる移住地は珍しいのでは」と話す。「国際協力事業団の移住地計画に、最初から教会の建設が盛り込まれていた。移住者の中に宣教師がいて、布教が進んだようだ」という。
毎週日曜日にミサに行くという辻本真理子さん(65、長野)は、「ここの移住者は初めからブラジルに骨を埋めるつもりで来た。私の親は『これからこの国にお世話になるんだ』という思いからカトリック信者になった」と振り返る。「私は当時まだ子供でブラジルに来たら洗礼を受けるのが当たり前と思っていたわ」と笑った。
この地に根を下ろし生きていく――。何気ない一言から、55年前の移住者たちの強い決意を感じた。(陸)