〃ブラジルの大豆の父〃として知られる農学博士の宮坂四郎さんが、26日午前1時ごろ、自宅で突然亡くなった。享年92。
1924年北海道生まれ。8歳で渡伯し、珈琲や野菜作りに従事。苦学の末、USPのピラシカーバ農科大学を卒業し、その後、同大学豆科植物研究室長として緑肥栽培を研究。低緯度地帯に適応した品種開発により、大豆生産の飛躍的拡大をもたらしたセラード開発の基礎を築いた。
80年から連邦政府科学顧問を10年務め、84年から筑波大学客員教授やサンパウロ州農務局局長補佐官に就任。87年には自然農法生産者教会、89年にはブラジル有機農業協会創立に関わり、コロンビアの国際有機農業センター顧問など要職を歴任した。
最期は、ウバツーバ市の監獄島アンシェッタに収容された無罪の日本人移民の名誉回復を目指し、娘メリーザさんとともに『日本移民の日』制定に尽力。9月の記念日に向け、翻訳を準備している途中で息を引き取ったという。