ホーム | ビジネスニュース | ブラジリア地裁の代理判事が燃料増税差し止め=「駄目なら別の増税」と財相

ブラジリア地裁の代理判事が燃料増税差し止め=「駄目なら別の増税」と財相

「増税無効」はまだ「有効」になっておらず、関係各所の綱引きが行われている。(参考画像 - Marcelo Camargo/Agência Brasil)

「増税無効」はまだ「有効」になっておらず、関係各所の綱引きが行われている。(参考画像 – Marcelo Camargo/Agência Brasil)

 【既報関連】ブラジリアの連邦直轄区第20法廷のレナト・ボレッリ代理判事が25日、政府が20日に発表した、ガソリン、ディーゼル油、エタノールにかかる税金引き上げを差し止める予備判決を下したと、26日付現地紙が報じた。
 燃料関連の増税は、基礎的収支改善を目的とした措置で、連邦政府は10億4千万レアルの税収増を見込んでいた。
 増税差し止めの予備判決は、連邦総弁護庁(AGU)に通達された後に有効となる。増税差し止めが実務レベルで運用されるためには、さらにその後、財務省に、増税取り消しの通知が行かねばならない。
 サンパウロ市のガソリンスタンドでは増税発表直後の21日に既に、ガソリン1リットルあたり、平均で30センターヴォの値上げが行われていた。
 ボレッリ代理判事は、増税を無効にした理由として、増税が90日の周知期間を置かず、一夜にして有効となったこと、増税は大統領令で即座に成立するものではなく、議会での審議を経て決められるべきとした。
 だが、AGUは、手続きは全て合法とし、予備判決が実効性を持つ前にブラジリアの連邦第一地域裁に控訴した。
 エンリケ・メイレレス財相も、「今回の増税が差し止められたら、他の手段での税収増が不可欠だ」と述べた。
 連邦政府は、増税が差し止められれば、1日当たりの税収は7800万レアルも減少し、保健医療や治安、社会保障の各分野の政策継続も困難になるとの見解を表明している。