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《ブラジル》廉価な大衆クリニックに人気=保健プランから乗り換える

 失業や退職などで民間の保健プランを継続出来なくなり、格安クリニックに乗り換える人が増えていると7月31日付現地紙が報じた。
 エネイデ・モンテイロ氏(45)は2年前失業し、月額800レアルの保健プラン継続を諦めた。こういう場合は公共の統一医療保健システム(SUS)の利用も可能だが、SUSは、診察、検査、手術のどれをとっても予約や実施に手間取り、医療の質を疑問視する人も多い。
 モンテイロ氏もSUSを嫌い、ドドール・メッヂ(Docctor Med)という大衆クリニックを利用する事にした。彼女の両親も、今年は保健プランが13・55%値上がりしたため、大衆クリニックに乗り換えた。
 15年7月は4990万人いた保健プラン利用者は、昨年1年間で83万人減少。今年前半も27万人余りが脱退しており、現在の利用者は4740万人だという。
 ドドール・メッヂ社長のジェイウソン・シウヴェイラ氏によると、09年の創業時はDクラスの利用者が多かったが、景気後退などで様変わりし、現在は利用者の約4分の3がCクラスだという。別の大衆クリニックのDr.コンスルタも、現在の利用者はB~Cクラスが中心だ。
 ドドール・メッヂは既存の保健プランより7割安を保障しており、診察料は80レアル、人間ドックも100レアルと廉価だ。
 大衆クリニックは廉価である上、携帯電話のソフトで予約を入れると、7日以内に清潔で快適なクリニックで対応してくれるなどの利点がある。
 Medic Maisは、診察料100レアル、人間ドック300レアルで、分割払いも可。大半の患者はA~Bクラスの人の母親というDoc Wayでは、個人情報や支払方法を登録すれば、症状を聞いた医師が往診してくれる。この場合の診察料も200~250レアルだ。
 大衆クリニックの台頭を受け、サンパウロ市では7月に創業40年以上のクリニックが連携し、診察料90~120レアルというパイロットプランを導入した。
 ただし、大衆クリニックには入院設備や救急設備がないため、重篤な病気のある人などは利点が少ない。利用する人は、定期健診などで予防策に努め、不測の事態を避ける工夫が必要だ。